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ケーススタディ:小売業

PC専門店の販促企画を成功させた考え方『カスタマージャーニーマップ』の存在

PC専門店の最大手ブランドの1つである『ドスパラ』を運営するサードウェーブは、店頭・ECでの小売業だけでなく、BTO(Build to Oder)のPCブランドとして製造も行っている企業です。

シェイプウィンでは、販売促進企画の支援を1年間実施しました。これまでにない企画創出支援と、その方法をコアメンバーへ伝承し、内製化する支援です。これらの実現に欠かせなかったのが『カスタマージャーニーマップ』です。販売促進(プロモーション)におけるカスタマージャーニーマップ活用とその成果をまとめました。

PC専門店最大手ブランドの1つである『ドスパラ』を運営

ドスパラECサイト
EC通販サイト ※2020年7月9日

サードウェーブは、1984年に秋葉原の小さなパソコンショップとしてスタートしました。その後、パソコンのパーツなどの販売もはじめ『DOS/Vパラダイス』として有名になり、現在では『ドスパラ』のブランドでパソコン通に愛されています。

パソコン本体やパーツ、PCアクセサリーの小売業だけではなく、オリジナルブランドで、BTO(Build To Order)と呼ばれるパソコン製造も国内で展開しています。オリジナルブランドでは、ローエンドからハイエンドまで展開され、圧倒的パフォーマンスと安定性を誇るゲーミングPCの『GALLERIA(ガレリア)』、創る人のためのPCブランド『raytreck(レイトレック)』など特定の用途に特化したシリーズも展開しています。

販売促進の企画立案や実施におけるマンネリ化が課題

ECサイトだけでなく、店舗(店頭)での集客から購入までを担当するのがサードウェーブの販促企画部です。担当する領域は、ECサイト・店舗への集客だけでなく、会員獲得やコンバージョンアップ、再訪・再利用率アップなど多岐にわたります。

サードウェーブでは、これまでいくつもの販促企画を立ち上げ、集客や成約率アップなどを成功されています。しかし、顧客の多様化や変化するトレンドに対応した企画立案力が不足しているという課題がありました。お客様を飽きさせないための企画のバリエーションや、新たな層の顧客を獲得するための販促企画など、シェイプウィンの販売促進コンサルティングを受けることで、それらの課題を解決すると同時に、考え方を習得し、内製化できるようにしたいと考えました。

はじめに取り組んだのが、ゲーミングPCのブランド『GALLERIA(ガレリア)』の販売促進です。ローエンドからハイエンドまで各モデル毎にコアターゲットとなる、顧客像(ペルソナ)を設計・見直ししました。そして、各ターゲットのペルソナがGALLERIAの認知から購入・再購入までどのような行動・手順を踏むのかをチーム内でブレストし、カスタマージャーニーマップをまとめました。

カスタマージャーニーマップの作成においては、顧客の行動をフローチャートにしていきます。その行動を喚起するメディア・思考・感情を洗い出します。この分析によって、購入(ゴール)へのステップで離脱してしまうポイントや次のステップに進まないポイントが明確になります。

カスタマージャーニーマップで企画の質・量がアップ

カスタマージャーニーマップ
作成したカスタマージャーニーマップ

※機密情報があるため内容はぼかしています

カスタマージャーニーマップは、顧客がスタート(認知等)からゴール(購入等)まで過程でどのような判断・行動を取るかをフローチャートで表現します。そして、その行動を例えば、認知・興味関心・来店・比較検討・購入などのフェーズに分解し、それぞれのフェーズで課題と対策を検討します。

販促企画部でカスタマージャーニーマップを作成したことにより、見落としていた課題の発見、フェーズ毎の施策のバリエーション拡大など、販促企画の質と量ともに大幅にアップしました。

また、このカスタマージャーニーマップにより、これまで社内のメンバーそれぞれが考えていたペルソナを統一できたことや、企画立案の背景となる顧客行動の共通認識により、意思決定のスピードもアップしました。

カスタマージャーニーマップを別の顧客層で作成することにより、今まで取り込めなかった顧客層へのアプローチも可能になっています。カスタマージャーニーマップの作成には時間がかかりますが、結果として戦略強化、チームの団結力アップに繋がるのではないかと思います。

「社内で企画を考えると、同じメンバーが同じ業務をすることから、どうしてもパターン化してしまうことが課題でした。シェイプウィンは、企画屋さんとしてアイデアを出してもらえるだけでなく、社内から生まれる企画を増やすための考え方・手法を教授してくれました。定例ミーティングに参加したメンバーだけでなく、他のメンバーにもその効果が広がっていると思います」

サードウェーブ 販促企画部 部長 江﨑康広 氏

顧客ファーストな販売促進を

販売促進(プロモーション)には、様々な手法があります。店舗では、チラシ、看板広告などの飛び道具からポイントカードなどの囲い込み施策。EC通販では、ネット・SNS広告やLP改善。販売促進の手法は多種多様であるがゆえに、戦略なしに導入しては止めるということが多くの会社で繰り返されています。

どの手法を採用し、どのような方法で展開するかは、すべてカスタマージャーニー(顧客行動)で決まります。闇雲に他社でやっていたキャンペーンを自社で実施しても効果が得られないということも多いです。

顧客を特定し、その行動・心理を分析することで、具体的な販促企画が生まれることが分かります。カスタマージャーニーマップを作成することは顧客理解のよいきっかけとなるでしょう。ぜひ皆さまの会社でも取り組んでみてください。