教育業界最大手のベネッセは、幼児から高校生の保護者、中学生・高校生に向けて、ベネッセが長年にわたって蓄積してきた教育分野のさまざまな調査実績やノウハウを『ベネッセ 教育情報サイト』というオウンドメディアで情報発信しています。主に、子育て・教育・受験に関する最新情報を扱っており、教育全般の『今』を知ることができます。
シェイプウィンでは、2013年から2016年の3年間で、夏休みの自由研究特集サイトや教育者向け情報教育コンテンツ、必修科目のダンス教育動画など多岐にわたるコンテンツの企画と制作を行ってきました。この他にもケータイ電波が不安定な水族館で稼働できる来場者向けHTML5 Webアプリなど技術的な制作の提供も行いました。編集部の許可を得て、その実績の一部をご紹介します。
夏休み自由研究特集サイトで最多アクセス
実施内容:サイト企画、デザイン、HTML5・Javascriptコーディング
競合がひしめく自由研究解決サイト
夏休みの自由研究を何にするか。これは小学生・中学生の子どもを持つ親の大きな悩みの一つです。インターネット検索で『自由研究』を検索すると、教育企業から自動車会社、IT企業まで多くの会社が自由研究のテーマ(ネタ)を情報提供しています。数ある自由研究特集サイトの中から選ばれ、何度も利用してもらえるサイトを構築する課題がありました。
競合の自由研究特集サイトと比較するとベネッセが保有するテーマ数は多くありましたが、各テーマへアクセスするためのUX(顧客体験)や導線が不十分でした。これまでのサイトは、競合のサイトも含め、カテゴリ毎に自由研究のテーマが一覧になっており、その中からテーマを探すのは一苦労でした。どうやってテーマを選んだらよいか、自分の子どもが興味を持ってやってくれるテーマは何かという『テーマの探し方』を知りたいという保護者のニーズもありました。
リニューアル後、過去最多のアクセス数を記録!
自由研究のテーマが見つからずに焦っている保護者や小学生・中学生本人がこのサイトの利用者です。自分に合ったテーマ5,6個の中から素早くテーマを決めたいというニーズに応えるインタラクティブなコンテンツを企画しました。当時はスマートニュースやグノシーといった自分に合ったコンテンツを生成するキュレーションがトレンドでしたので、それをヒントに企画がスタートしました。
リニューアルでは、100以上ある自由研究のテーマの中から自分に合ったものをオススメしてくれる『自由研究テーマ診断』という機能を追加しました。小学1年生から中学3年生まで自分の学年を選び、理科系/社会科系の選択などをするとオススメの自由研究テーマを表示します。特に『必要日数』を1日、3日、1週間から選べる選択項目は宿題の期限が迫る家庭に喜ばれました。
このリニューアルにより、ベネッセ 教育情報サイトが開設以来”最多”のアクセス数を夏休み期間の7月と8月で獲得することができました。現在でも夏休みバージョンと冬休みバージョンで定期的にリニューアルされ、人気のコンテンツになっています。
SNSやスマホの子ども向けリテラシー教育コンテンツ
実施内容:サイト企画、デザイン、HTML5・Javascriptコーディング
既読スルーや子どものスマホ問題を解決するコンテンツの不在
中高生のスマートフォン保有率の上昇と共に、LINEをはじめとしたメッセンジャーアプリやソーシャルネットワーク(SNS)が子ども達の中でも一般的となり、既読スルーやLINEいじめなどスマホやSNSにまつわる社会問題が2014年ごろから目立ってきました。様々なガイドラインを元に『スマホの持たせ方』や『SNSとの関わり方』など学校現場から子ども達に教育が行われていました。
しかし、テキストや座学でこれらのインターネットリテラシーを学習しても子ども達にはなかなか浸透しません。学校現場での学習と実際のスマホ利用では状況が異なり、理解が深まらなかったのです。
学校の授業で使われるスタンダードコンテンツに
そこで、ベネッセ教育情報サイト内にある『教育関係のかたへ』という教育者・保護者向けのコンテンツをリニューアルし、現代の社会問題であるスマホやSNSの問題をインタラクティブに学習できるコンテンツを企画・制作しました。
パソコンから見たWebサイトでは、練習用のスマホ画面が表示され、そのスマホ内でSNSやスマホアプリを操作しながらスマホやSNSのリテラシー教育を行います。
スマートフォンのモラル講座では、スマホを使った電話マナーやアプリのインストールに加え、子ども達がよく悩むパスワードの決め方などが学べます。擬似的なスマホを操作する中でアドバイスや注意喚起をするメッセージが登場し、子ども達に自然と学習を促します。
SNSのモラル講座では、LINEを模したアプリでタイムライン、画像の投稿、スタンプの獲得、グループチャットを通じてSNSで大切なセキュリティ感覚やコミュニケーションマナーを学習します。特に個人情報を特定されやすい写真の投稿をしないように学習できるクイズや擬似的に既読スルーを体験できるグループチャットが人気です。
必修科目となったダンス教育動画コンテンツ
実施内容:全体企画、監修・出演者アサイン、動画撮影・制作、記事制作
授業でヒップホップ、でもどうやってやるの?
2012年度から体育の授業で必修化した『ダンス』。これまでもフォークダンスや創作ダンスは授業や運動会で行われていましたが、ここで求められるダンスは『ヒップホップ』です。保護者や教育者はヒップホップダンスをどのように指導すればよいのかという不安がありました。ヒップホップダンスはテレビやYoutubeで多くのダンサーを目にすることがあり身近な一方で、いざ自分がやろうとすると、何からはじめてよいのか、どんな楽曲で踊るのかなど分からないことが多いものです。
ヒップホップダンスの動きを体系化した動画で簡単に学べる
教育情報サイトでは、これまでも『速く走るかけっこ』や『サッカー』など運動を中心としたレクチャー動画を多数配信してきました(動画ライブラリ)。このシリーズで初心者でもダンスが上手く踊れる『ダンスステップアップ上達法』の動画コンテンツを制作しました。制作では有名タレントのダンスの振り付けや子ども達にダンスを教えている引間美帆さんを起用し、初心者でも分かるように各ステップの踊り方や組み合わせ方などを体系的にまとめ、5本のシリーズで紹介します。
基本のアップ・ダウンのステップに加え、上半身の動きの組み合わせ方、切り替えのターンの方法などを分解して紹介しました。体系的に学ぶことで応用しやすく、教育関係者や小学生に人気のコンテンツとなりました。