無料でできる広報PR
「無料でできる宣伝術」と書籍で紹介されることの多い広報PRやプレスリリースですが、実際には結構なコストがかかります。無料だから広報PRを採用しているという考え方は間違いです。どのようなスタンスで広報PRを使ったマーケティングを行うとよいかについて触れてみます。
広報PR・パブリシティ=無料?
広報PRの基本的な活動では、プレスリリースをメディアに送って、パブリシティ獲得し、ユーザーへの訴求をするものです。
2005年ごろから出現したプレスリリース配信代行サービス(@Press,ValuePressなど)によって数万円で簡単に配信できるようになりました。また、プレスリリース送付先がメール受付の媒体であれば、無料で送ることができます。
安価な金額で配信したプレスリリースが運良く取り上げられれば、Adwordsなどのネット広告と比べて安い単価で流入を得ることができます。例えば、Yahoo!ニュースに記事として取り上げられれば、約50万円の広告価値に換算することができ、Adwordsで50万円出稿するより2〜3倍の流入を得ることができます。
パブリシティ獲得(メディアに取り上げられること)のためには、実はコストがかかります。プレスリリースの配信は1回3万円程度で可能ですが、プレスリリースを作成するために使う内部のコストと外部へのコストを合わせるとは数十万にもなります。内部のコストとしては、プレスリリースを作るための時間や記者への個別アプローチなど手間と時間がかかります。外部へのコストとしては、ニュースバリューを上げるために行う調査コストや自社でできないメディアリレーションズ(アプローチ)などのコストがかかります。
パブリシティマーケティングに期待すること
広報PRによるパブリシティ獲得にはどのような意味があるのでしょうか? ネット広告はインプレッション数や流入数、コンバージョン数を正確に計測できますが、パブリシティによる流入は予測することしかできません。
広報PRにできてネット広告にできないことは「新たな検索需要を作ること」です。例えば、ビジネス用チャットを売るには「ビジネス チャット」と検索してもらう必要があります。つまり、検索需要がないと買ってもらうことができません。
一方で広報PRによるパブリシティ獲得では「最近、ビジネス用チャットがトレンドです。」と紹介してもらい、今まで知らなかった人から検索需要を創ることができるのです。
パブリシティ獲得に期待することは「検索需要の創造である」ことがわかります。
広報PRに対する考え方のまとめ
ネット広告と広報PRはそれぞれ違う役目があります。広報PRによるパブリシティで検索需要を創造し、ネット広告でコンバージョンにつなげるマーケティングしくみが大切です。例えば、ネット記事やテレビ放映を見てWebサイトに訪問したお客さんをリマーケティン広告で追いかけるのも手段の一つです。無料だから広報PRではなく、検索需要を増やすプロモーションとして広報PRの活動をしていただければと思います。