ここはやはり、かの『銀河英雄伝説』のナレーションに倣って次のように言っておくべきでしょう。「ブラウザの歴史が、また1ページ……。」
私は、いまでもブラウザが大好きな人間です。2016年5月の「久々に新ブラウザが登場ーーVivaldiとBraveを早速試す」以来、実に3年半ぶりの新しいブラウザについてご紹介です。
しかも、ソーシャルメディア時代に相応しい新しいブラウザの誕生といっても過言ではありません。とくに複数のソーシャルメディアを利用している人たちにはとても重宝するでしょう。スマートフォン社会でネイティブアプリが日常的な今日、むしろこうしたブラウザ体験は貴重なものです。
最初のNetscape(1995年)にはじまり、そして利用できなくなるまで愛着のあったアップル純正Cyberdog、その後はFirefox、Opera、Chromeなどのほか、ソーシャルブラウザといわれたFlock、3DインターフェイスによるSpaceTime3Dにいたるまで、それら以外にも私は下記のように実に多くのブラウザを試してきました。
<WebKit系レンダリングエンジン>
・Shire(シイラ)
・iCab
・OmniWeb
・Stainless
・RockMelt(旧Gecko)
<Gecko系レンダリングエンジン>
・Camino
・SeaMonkey
<Blink系レンダリングエンジン>
・Opera(旧Prestoエンジン)
上記のほとんどのウェブアプリは、もとよりすでに開発を終了しています。今日のデジタルデバイスの状況を鑑みれば、新たにブラウザを開発するような粋狂な人がいなくても無理からぬことだとは思います。
一番多いときには、私のMac Dockには8個のブラウザが並でいてそれらを切り替えながら利用していたほどでした。当然のことなのですが、「Macネイティブ」25年の私はIEを利用したことはほとんどありません。
スマートフォンとタブレット類の日常化が、ウェブブラウザを殺すのか
12年前(2007年)、アップル社のiPhoneが登場して以降、PCからデジタルツールの主役はスマートフォンになり、さらに2009年のiPadの登場も加わったことで、スマートデバイスに歩調を合わせてウェブブラウザからネイティブアプリが当たり前になりました。
PCからこうしたデジタルデバイスが利用されるようになれば、当然ながらPCの利用者が減少することは、私もすでに織り込み済みでした。10年前(2009年)のブログでのすでに述べていることですが、いま現在私たちがPCと呼んでいるようなツールを必要とするのは特殊な仕事で必要な人たちだけで、とくに一般消費者には不要となるでしょうし、PCを必要としないさらにこれからの世代によってはそれすらも知らないライフスタイルも、遠からず来るだろうということは予見していました。
さて、それまで利用されてきたブラウザ(HTML)はバージョンアップを重ねながら、1999年にHTML4が開発されてからすでに20年が過ぎています。あらゆる生活シーンでスマートフォンが日常的で当たり前となり、それによってブラウザより個別アプリの利用が当たり前になった今日、2014年に発表されたHTML5の導入は、当初期待されていたように導入が進んでいるように思うのはわたしだけではないでしょう。
それでも、私はブラウザ(ウェブアプリ)が好き
私はスマートフォン(iPhone SE)でも、いまだにほとんどブラウザで済ませています。ネイティブアプリで利用しているのは、マップ、天気予報、ニュース(SmartNews)を閲覧するなど片手で数えるほどで、あとはすべてブラウザを利用しています。
それ以外、YouTubeなどミュージックビデオや海外ドラマのトレーラーなどの動画を見る、pdfなどデータをダウンロードする、なにかのコンテンツをストリーミングするなど、それらはすべて自宅のiMacで実行することにしています。
ところで、かれこれ10年以上も前のことなのですが、Mac雑誌のフリーソフト特集ムック(CD-ROM付き)で、よく利用するアプリをPC用の専用ウェブアプリ化するためのソフトがありました。そのころ、PCでブラウザではなく専用アプリ化することを「PC用スタンドアローンアプリ」と呼んでいました。
それを利用して、確かフェイスブックのための専用アプリを一時期は利用していたように記憶しています。
現在では、EvernoteやfacebookなどのいくつかはPC専用アプリが用意されており、それらを利用している人もいることでしょう。
国産のブラウザ「Biscuit(ビスケット)」がとても便利でありがたく、実に助かる
それは、なにかで偶然に発見した情報でした。
このブラウザは国産で、しかもどうも趣味で開発しているようなのです。国産ブラウザでは、上述したなかではShire(シイラ)以来、実に12年ぶりです。そのうえMacはもちろんのこと、WindowsやLinuxにも対応しています。
現在、私のいまのデフォルトブラウザはVivaldi。ついでBrave→Chrome→Firefox→Safariという順での利用頻度なのですが、iPhoneではSafariだけの一択です。
Biscuitが便利なのは、左のサイドバーにGmail、Evernote、facebook、twitterなどいくつものウェブサービスを、「仕事」と「個人」とにわけてグループ化して表示させて使えることです。
とくに、これまで複数のブラウザを起動させていくつものサイトをタブ利用するような人たちには、このうえもなく便利です。
しかも、それぞれ利用しているウェブサービスを切り替えるだけで、開いたままの複数のブラウザもそのまま維持されるので、またそのウェブサービスに戻ったときにはそのまま継続して使えます。
したがって、いくつものウェブサービスを利用する、あるいはコンテンツ内のリンクを開くことが多くなり、そうしたタブだらけのブラウザになってしまう状況を避けることができるのです。
しかも、Biscuitがサポートしているアプリは80個以上もあり、それらを「+アプリを追加」からクリックするだけで登録できます。したがってよく利用するサイトのアドレスをここに登録しておくだけの簡単さです。
ですから、いくつものソーシャルメディアを利用しているような個人や企業担当者にも、サイドバーにそれぞれよく利用しているウェブサービスを登録しておき、それらをクリックするだけで画面が切り替わるので、複数のブラウザを使い分ける必要性もありません。
また、それまでブックマークなどを利用してきた人、Operaでデフォルト、Firefoxではアドオン、Chromeの機能拡張でスピードダイヤルを追加して使ってきた人にもありがたいでしょう。さらに、公式に追加して欲しいアプリがあれば、Twitterから要望を受け付けているようです。
私自身それまで、Gmail、Google カレンダー、livedoorブログ、facebook、twitter、LikedIn、Evernote、Paper.li、Amazonなど、これまでは利用するそれぞれのサイトをつねに3つのブラウザ(Vivaldi、Brave、Chrome)に分散し常時起動させていた煩雑さから解放されることになりました。こういうブラウザが欲しかったあるいは待ち望んでいた人たち、実は多いのではないでしょうか。
それでも、私のドックには現在でも6つのブラウザが並んでいます(上記の画像)。
とにかく、今後はこのBiscuitをデフォルトブラウザとしてしばらく利用することにしました。もちろん、ログインが必要なサービスを利用する場合、切り替えてから読み込みする分だけやや時間はかかります。
ほかの国産ブラウザとしては、Mac・Windowsに対応しているKinzaもあるのですが、MacOS 10.13 / 10.14以降対応となっているので、いまだにEl Capitan(10.11.6)を利用している私は未利用です。
下記の関連リンクなども参考にしながら、みなさんもこの新しいブラウザ体験を味わうことをおすすめします。きっとお気に召すことでしょう。
(関連リンク)
▼新ブラウザ「Biscuit」が便利!アプリ整理、複数のSNSアカウントの切り替えがサクサク
▼Webサービスの1画面統合アプリは「Station」が最高でしたが、グループ化して見やすい「Biscuit」も最高でした
▼無料ブラウザ「Biscuit (ビスケット)」が各種Webサービスを纏めてくれて切り替えがラクチン!
▼複数のウェブアプリ・アカウントをまとめて一括管理できるアプリ「Biscuit」
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