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視察にとどまらない海外・北米スタートアップ人脈の作り方

スタートアップ企業ならいつかは挑戦したいシリコンバレーやニューヨークなどの北米進出。海外進出や海外企業との提携など海外と取引をするためには、海外との人脈が不可欠です。

シェイプウィンでは、海外企業の日本進出やPRマーケティング支援をいくつか手がけてきました。外資系の経験者や海外にコネがあったわけではありません。紹介やご縁あって繋がった方も多いのですが、それ以外でも人脈を築く方法はいくつかあります。

ガラパゴスと言われる島国日本で育ち、ゼロから人脈を構築するためにはどうすればよいのか、その答えはネットの活用です。アメリカとシリコンバレーとカナダのバンクーバーで実践した方法をご紹介します。

視察旅行が海外市場への入り口を狭めている

うなだれるビジネスマン

シリコンバーレーでは、日本人が嫌われているということを聞いたことがあるかも知れません。

など、シリコンバレーで日本企業が受け入れてもらえないという記事を頻繁に目にします。これは当然のことで、自分の会社に「教えてください」「挨拶させてください」と毎日のように営業や外国の企業が来たら、相当迷惑であることが容易に想像できます。

中国や韓国企業は、もっとダイレクトに売り込みや提携をしているようです。それがシリコンバレー進出において、アジアの中で日本が負けている理由の一つではないでしょうか。

しかし、いきなり売り込むよりも、まずは市場調査や可能性を探りたいという日本企業ならではのニーズというのもあると思います。

そこで、私がオススメするのは、事前準備です。

シリコンバレーに行くとなると、どうしても「どこに企業を訪問しようか」「どんなイベントに参加しようか」「現地の人に何を質問しようか」とインプットすることで頭がいっぱいになると思います。

実際に必要なのはアウトプットです。世界中のハイテク企業が売り込んでくるシリコンバレーですので、日本企業としても自社を売り込むことは必須です。

製品やサービスを売り込むのではなく、相手の企業に対してどんなことが提供できるのか、シリコンバレーで働く人が持っていない自分のスキルは何かなど棚卸する事前準備が重要です。

これにより、出会った相手とどのような提携ができるのかという有意義なコミュニケーションが得られます。

視察旅行では体験できない現地のスタートアップとのコネクション作りにおいて、実際につながるためには次のようなツールがオススメです。

情報収集なら『Meetup』でイベント参加

Meetupでのサンフランシスコのピッチイベント検索

Meetupでのサンフランシスコのピッチイベント検索

日本ではマイナーなイベントプラットフォームですが、欧米ではメジャーなのが『Meetup』というサイトです。

このサイトでは、主催者が無料でイベントを登録でき、イベントを探す人にアプローチすることが可能です。イベントには、無料のものから有料のものまでたくさんあります。また、ビジネスの交流会だけでなく、勉強会や趣味の集まりまで様々です。

バンクーバーでは参加者が参加費を支払うイベントが多い印象ですが、シリコンバレーでは、スポンサーが付いている無料のイベントも多数あります。

たとえば、検索するとこのようなイベントがたくさん出てきます。

  • ブロックチェーンに関するミートアップ
  • スタートアップのピッチイベント

日本のセミナーでは見慣れない光景ですが、北米ではイベントが始まる前にミートアップがあって先に来た参加者が時間の限り交流しています。隣に座った人などに声をかけて「Youは何しにこのイベントに?」と尋ねてみるといいと思います。

『Shapr』で目的の人と直接マッチング

Shaprのアプリ画面

Shaprのアプリ画面

セミナーやミートアップよりもじっくり交流したいという方にはマッチングアプリがオススメです。『Shapr』は、ビジネスマッチングアプリで、ヨーロッパや北米で200万人以上が使う人気のサービスです。相手のプロフィールを見て会う会わないを選んでいきます。両者ともに会いたいとなったら、マッチング状態となり、アプリ上でチャットができるようになります。LinkedInのアカウントがあるとソーシャルログインが可能です。

マッチング後に実際に会って話ができる確率は、1〜2割くらいです。マッチング後のチャット画面では、Shaprを使っている目的や提供してほしいもの、自分が提供できるものなどをプレゼンしながら、相手に深い興味を持ってもらうことが重要です。

基本的には無料で利用できますが、位置情報を基にしたマッチングのため、シリコンバレーで人脈を作るためには有料プランでシリコンバレーでのマッチングをする設定にする必要があります。また、有料プランでは、自分が探しているキーワードや目的の人を絞って表示させるという短期決着にも向いた機能があるので使って見るとよいでしょう。

ダメ元で突撃訪問とお問い合わせフォームも

VentureBeatのジョーダン記者

突撃訪問で成功したサンフランシスコのVentureBeat社
左:神村、右:ジョーダンさん(現CNBC記者)

過去に『【実践!シリコンバレーPR】アポなしでメディアキャラバンできるのか?』という記事で紹介しましたが、シリコンバレーでアポなし突撃会社訪問をしたことがあります。

このときは、シリコンバレーのメディア事情を知るために、スタートアップになじみ深い TechCrunch、VentureBeat、THE VERGEを訪問しました。結果的に直接話を聞けたのは、テック系WebメディアのVentureBeat社だけですが、突然の訪問にもかかわらず1時間も話をすることができました。

人脈が繋がった後が大事!

日本と違って名刺交換の文化はありません。こちらが名刺を差し出しても相手が持っていないケースや連絡先を交換したくないと拒まれることもあります。それが故に事前の準備と繋がった後にどのようなコミュニケーションをするかというのが大事です。

特に北米は転職が頻繁にある文化です。転職して連絡が取れなくなることも多々あります。相手と関係を続けるためにもLinkedInでの『つながり申請』をしてメッセージ機能でやりとりができる様にしておくとよいでしょう。日本のようにfacebookをビジネス利用する習慣はほとんどないので注意が必要です。

繋がった後も、次に何が提供できるかなどを考えながら定期的に連絡を取り合うことで、次のビジネスに繋がる人脈になり得るのです。

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神村 優介
徳山工業高等専門学校卒業。在学中にNHK高専ロボコン出場経験を生かしたロボット教育ビジネス「MAKE21」を始める。2005年にこのビジネスで経済産業省後援のドリームゲートビジネスプランコンテストの中国地区大会で最優秀賞を取得。その後、株式会社セガトイズに入社し、玩具の企画開発マーケティングを担当。お風呂で使える家庭用プラネタリウム「ホームスターアクア」をプロデュースし、年間15万個出荷の大ヒットを記録。独立後、広報PRを中心にマーケティング企画支援を行うシェイプウィン株式会社を24歳で設立。これまでにChatWorkやスマレジ、TEMONAなどスタートアップの広報PRやマーケティングを支援。