競争が激化するデジタルマーケティングの世界で、SNSを活用したインフルエンサーPRは他社と差をつける有効な手段です。
しかし、初めてインフルエンサーを活用する企業にとっては、「どのように依頼すれば良いのか」「費用はどれくらいかかるのか」といった課題が多いのΩも事実です。
この記事では、どのようにインフルエンサーPRを活用して、効果的にブランド認知度を高めるのか、インフルエンサーPRの基本的な仕組みから、具体的な依頼方法、費用まで詳しく解説します。
インフルエンサーPRとは
インフルエンサーPRは、SNS上で影響力を持つインフルエンサーが商品やサービスを紹介することで、PR効果を生み出すマーケティング手法です。
株式会社サイバー・バズと株式会社デジタルインファクトの調査によると、2024年のソーシャルメディアマーケティング市場は1兆2,038億円、前年比113%の見通し2029年には2024年比約1.8倍、2兆1,313億円になると予測されています。（※）
そのため、SNSを活用したPRは重要度が高まっていますが、その中でもインフルエンサーPRは、特定のターゲット層に直接リーチできる点が強みで、SNSマーケティングの中でも重要な位置を占めており、重要な広報戦略の一つとしても注目されています。
（※）https://www.cyberbuzz.co.jp/2024/11/post-2595.html
インフルエンサーを起用したPR投稿を依頼するメリット
インフルエンサーを活用したPRは、広告などとは異なるメリットがあります。
次に、具体的にどのようなメリットがあるのか解説します。
自然で説得力の高い訴求
インフルエンサーによるPR投稿は、フォロワーが商品を身近に感じられることが最大の強みです。フォロワーは日常的にインフルエンサーの価値観やライフスタイルに親しんでいるため、商品が自然と目に入りやすい状態です。
そのため、商品やサービスの魅力がストレートに伝わり、フォロワーの興味を引きやすくなるのです。広告のように押しつけられている感覚がないことで、ブランドイメージを自然に高められる点が大きなメリットと言えるでしょう。
拡散力に期待できる可能性がある
インフルエンサーを起点に情報が拡散される点も大きなメリットです。人気のインフルエンサーが投稿をシェアすることで、そのフォロワーがさらに情報を拡散し、口コミが広がる可能性があります。
例えば、ある有名インフルエンサーが新商品を投稿した場合、そのフォロワーがコメントやリツイートを通じて投稿が広がり、次第にフォロワーのフォロワーにも情報が届きます。この「波及効果」は、従来の広告手法では得られない大きな特徴です。
ターゲティングがしやすい
インフルエンサーマーケティングは、特定のターゲット層にアプローチする際に非常に効果的です。インフルエンサーごとにフォロワー層の属性が異なるため、商品やサービスに適した層を狙ったPRが可能です。
例えば、健康志向のフォロワーを持つフィットネスインフルエンサーを起用すれば、健康食品やトレーニング関連の商品を効率的に宣伝できます。このように、ターゲットのニーズに応じたインフルエンサーを選定することで、より高い効果を期待できます。
マスメディアに波及する可能性がある
インフルエンサーによるPR投稿は、PR戦略によってはマスメディアに取り上げられるきっかけになります。SNS上で話題性を生むことで、ニュースや雑誌、テレビで紹介されることもあります。
近年では、メディアも取材ネタをSNS上から探しています。例えば、あるインフルエンサーがユニークな形で商品を紹介し、その投稿が大きな話題を呼べば、メディアが注目し取材に繋がり、企業のブランド認知度が一気に向上するケースもあります。
このように、SNSマーケティングの視点を持ってインフルエンサーを活用することで、SNS上だけではない効果を得られるのも、インフルエンサーPRの魅力の一つです。
インフルエンサーを起用したPRの手法
インフルエンサーマーケティングを成功させるには、適切なPR手法を選択することが重要です。インフルエンサーを活用したPRには、さまざまなアプローチがあります。
次に、インフルエンサーを起用したそれぞれの手法の特徴と効果について解説します。
商品ギフティングタイプ
商品ギフティングタイプは、インフルエンサーに商品を提供し、その使用感や感想をSNSで発信してもらう手法です。商品を無償で提供するケースと、有償で契約を結ぶケースがあります。
無償ギフティングの場合、インフルエンサーが自由に感想を発信するため、リアルな声としてフォロワーに届きやすいのが特徴です。一方、有償ギフティングは、投稿内容や時期を企業が指定できるため、より戦略的なPRが可能です。
この手法は、商品そのものに自信があり、インフルエンサーが発信する口コミ効果を狙いたい企業に向いています。
現地訪問・体験型
現地訪問・体験型は、インフルエンサーを店舗や観光地に招待し、現地での体験を発信してもらう手法です。飲食店での試食や観光地のツアー参加、施設の利用体験などが含まれます。
インフルエンサーが現地で感じたリアルな感動や魅力を発信することで、フォロワーに「行ってみたい」「試してみたい」という気持ちを喚起できます。この手法は特に、地域活性化や観光PRにおいて効果的です。
商品監修・コンサルティングタイプ
商品監修・コンサルティングタイプは、インフルエンサーの専門知識や経験を活用し、商品の開発や改良に関わってもらう手法です。このプロセスをSNSで公開することで、商品の魅力だけでなく、開発ストーリーも消費者に伝えることができます。
たとえば、美容系インフルエンサーが化粧品の成分選定に参加し、その過程を投稿することで、商品への信頼性と興味を高めることが可能です。この手法は、インフルエンサー自身が商品の一部を担うため、信頼性と説得力の高いPRが期待できます。
ライブ配信
ライブ配信は、インフルエンサーがリアルタイムで商品の魅力や使用方法を紹介する手法です。フォロワーとの双方向のやり取りが可能で、質問にその場で答えることで、フォロワーの疑問を解消し、信頼感を醸成できます。
たとえば、新商品の開封や使い方をライブで紹介することで、視聴者がその場で購入を検討する動機づけを行えます。この手法は、即効性が高いプロモーションを求める場合に適しています。
アンバサダー
アンバサダーは、自社製品やサービスのファンであるインフルエンサーを起用し、継続的に情報を発信してもらう手法です。企業と長期契約を結ぶことが多く、商品だけでなく企業ブランド全体のイメージ向上に寄与します。
アンバサダーは、継続的な投稿を通じてフォロワーとの信頼関係を築きやすく、ブランドロイヤルティの向上に効果的です。この手法は、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係強化にも適しています。
インフルエンサーにPR投稿を依頼する方法
インフルエンサーにアプローチするにはいくつか方法があります。特にフォロワー数の多いインフルエンサーだと直接DMを送っただけでは返事をもらえないケースもあります。
次に、インフルエンサーにPR投稿を依頼する主な方法を解説します。
インフルエンサーに直接連絡
一番シンプルな方法は、インフルエンサーのSNSアカウントやウェブサイトに記載されている連絡先を通じて直接依頼する方法です。この方法は特に、フォロワー数が少ない「マイクロインフルエンサー」や「ナノインフルエンサー」に適しています。
直接やり取りすることで、具体的な条件や依頼内容を柔軟に調整しやすいメリットがあります。例えば、ブランドの理念を詳しく伝えたり、インフルエンサー自身のクリエイティブな提案を反映させることが可能です。
ただし、フォロワー数の多いインフルエンサーに対しては、対応に時間がかかる場合があるため、他の方法と併用するのが効果的です。
PR会社を利用する
PR会社を利用することで、インフルエンサー選定から契約、投稿内容の管理まで一括してサポートを受けられます。この方法は特に、複数のインフルエンサーを起用する場合や、確実に効果を出したいキャンペーンを実施する場合に効果的です。
PR会社は豊富なネットワークを活用して、ブランドのターゲットに最適なインフルエンサーをキャスティングします。また、契約内容や投稿の品質管理も行うため、企業の負担を軽減しながらプロフェッショナルなPRを実現します。
また、PR会社はソーシャルメディアだけではなくメディアに対するPR知識も豊富です。例えばシェイプウィンでは、インフルエンサーを活用しSNS上で話題性を生んだだけではなく、そこからマスメディアに対するアプローチも行ったことで、日系MJに掲載されたケースもあります。
このように、インフルエンサーの影響力は他の媒体との相乗効果を生むことがあり、全体のPR効果を高める結果につながります。
SNSキャスティングツールの活用
SNSキャスティングツールは、インフルエンサーをデータベースで検索し、条件に合った候補者を簡単に見つけられるプラットフォームです。ツールを活用することで、フォロワー数、エンゲージメント率、ターゲット層などの詳細なデータに基づいてインフルエンサーを選定できます。
この方法は効率性が高く、インフルエンサーとの直接やり取りも容易に行えます。例えば、指定した条件でフィルタリングし、候補者を一覧で比較することで、ブランドの戦略に合致したパートナーを迅速に選べます。
インフルエンサー事務所に連絡
インフルエンサー事務所に連絡する方法は、著名なインフルエンサーを起用したい場合に最適です。事務所はインフルエンサーのスケジュール調整や契約交渉を一括で対応してくれるため、企業側の手間を大幅に削減できます。
特に、著名人レベルのインフルエンサーに対する依頼では、この方法が主流となっています。
インフルエンサーPRの費用感
インフルエンサーに依頼する際に気になるのがコストです。どれだけ人気のフォロワーなのか、どのような形態で業務を依頼するのかにもよりますが、事前に基本的な相場を押さえておきましょう。
一般的な相場は、1回のSNS投稿で「フォロワー数×2〜4円」
インフルエンサーPRを検討する際、費用感を把握しておくことは非常に重要です。一般的に、SNS投稿1回あたりの費用は「フォロワー数×2〜4円」が相場とされています。
たとえば、フォロワーが1万人のインフルエンサーの場合、投稿1回の費用は2万円〜4万円程度となります。ただし、業界やキャンペーンの内容によって価格は変動するため、あくまでも目安として考えるのが良いでしょう。
さらに、有名なマクロインフルエンサーやメガインフルエンサーの場合、フォロワー数の規模に加え、その影響力やブランドとの親和性も費用に影響します。また、ギフティングや体験型PRなど、投稿以外の施策を組み合わせる場合も費用が変動するため、事前に詳細な見積もりを依頼することが重要です。
インフルエンサーPRの費用は単なる「支出」ではなく、ブランド認知度や売上向上につながる「投資」と捉え、適切なプランを設計することが成功の鍵です。
以下の記事では、インフルエンサーの費用をより詳しく解説しています。
インフルエンサーPRを成功させるためのポイント
インフルエンサーPRは、単に依頼をするだけでは効果を最大化できません。以下のポイントを押さえることで、キャンペーンを成功に導くことができます。
インフルエンサーとの信頼関係構築
インフルエンサーPRの成功には、インフルエンサーとの良好な関係構築が欠かせません。
たとえば、コラボレーション前に製品やサービスの試用期間を設け、インフルエンサー自身がその良さを実感した上で発信してもらうことで、より自然な訴求をしてもらうことができます。
単に商品のPRを業務的に依頼するのではなく、商品の特徴や企業のビジョン、ストーリーなどをしっかりと伝えて投稿前にコミュニケーションをとり、信頼関係を作っておくことが大切です。
継続的なPR活動
インフルエンサーPRは一度の投稿で完結するものではありません。定期的な投稿やシリーズキャンペーンを行うことで、ブランドの認知度を高め、消費者の購買意欲を喚起できます。
たとえば、季節ごとの商品プロモーションや新商品の発表時に合わせてインフルエンサーを活用することで、タイムリーかつ効果的なPRが実現します。こうした継続的な活動は、フォロワーに対してブランドの存在感を維持するためにも重要です。
ターゲットにあったインフルエンサーの選定
インフルエンサーPRで話題性を生むだけではなく、コンバージョンに繋げるためには、そもそもターゲット層があっているかどうか、選定することが重要です。フォロワー数だけでなく、フォロワーの属性やインフルエンサーの専門性、過去のキャンペーン実績などを基に選定を行う必要があります。
たとえば、美容製品のプロモーションでは、美容分野で信頼を得ているインフルエンサーを選ぶことで、フォロワーの購買意欲を引き出しやすくなります。また、ナノインフルエンサーやマイクロインフルエンサーの起用は、よりターゲット層に密着したコミュニケーションがとれるでしょう。
まとめ：話題性を生んだ後、どのように企業のPRに繋げていくのか？
インフルエンサーPRは、ターゲット層に効果的にリーチし、ブランド認知度を向上させる強力な手法です。インフルエンサーの訴求力や口コミ効果、さらにマスメディアへの波及可能性もあり、従来の広告手法とは異なった形で影響力を持っています。
しかし、インフルエンサーを活用したからといって、単にSNS上で話題性を生むだけでは意味がありません。また、SNS上で話題になったとしても、そこからどのように企業のPRに繋げていくのかのPR戦略が作れていなかった場合、企業の求めていた結果に繋げることは難しいでしょう。
シェイプウィンでは、マーケティングとPRの観点から、インフルエンサー選定、PR戦略の立案まで、一貫したサポートを提供しています。まずはお気軽にご相談ください。
