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リテーナー契約とは?仕組みとメリットを徹底解説

リテーナー 契約

専門的なPRやマーケティングを外部に依頼したいと考えたとき、「リテーナー契約」は最短でPRの成果を出す手段の一つです。

リテーナー契約とは、毎月一定の料金を支払うことで、安定したサポートを受けることができます。一方で、スポット契約や成功報酬型契約とどう違うのか、何が適しているのか分からないことも多いでしょう。

本記事では、リテーナー契約の特徴や仕組み、他の契約形態との違いを比較しながら、メリット・デメリットをまとめています。

リテーナー契約とは?はじめに知っておきたい3つのこと

リテーナー契約とは?_インフォグラッフィック

リテーナー契約は、必要な専門知識やサポートを安定的に確保したい企業や個人にとって大変有効です。

まずはじめに、リテーナー契約とは何か、契約の仕組みなどを詳しく解説します。

①広報PRにおけるリテーナー契約の概要

リテーナー契約は、毎月一定の料金を支払うことで、長期的なサポートやサービスを受けられる契約形態を指します。特にPRやコンサルティング、士業などの分野で広く活用されています。

企業はリテーナー契約を活用して、メディアリレーションの強化やプレスリリースの作成、イベント企画など、多岐にわたる業務が効率的に進められます。リテーナー契約は、短期的な成果を求めるのではなく、長期的な視点でブランド価値を向上させる取り組みに適しています。

②支払い方法の仕組み

リテーナー契約では、毎月一定額の料金を支払う形式が一般的です。この料金は、事前に双方で取り決めた範囲内で提供されるサービスに基づいて設定されます。

たとえば広報活動であれば、メディアリレーションの強化などが一般的です。リテーナー契約では事前に料金が決まっているので、予算計画が立てやすくなるほか、サービス内容も明確です。

③リテーナー契約が向いている分野

リテーナー契約は主に、PR、コンサルティング、士業(弁護士や税理士など、法律に基づいた専門資格の取得が必要な職業)の分野で活用されています。

PRでは、ブランド認知度向上やイベント企画、メディアリレーションズの構築に向けて利用されており、コンサルティングでは経営戦略やマーケティングのアドバイスが主なサービスとなります。

士業とのリテーナー契約では、法律や税務に関する日常的なサポートを得ることができます。このように、リテーナー契約は専門知識を安定的に活用できるため、あらゆる業界で活用されています。

リテーナー契約のメリット・デメリット

メリット・デメリット

リテーナー契約には、依頼者とサービス提供者の双方に多くの利点がありますが、同時に注意すべき点もあります。

次に、リテーナー契約の具体的なメリットとデメリットを解説します。

リテーナー契約のメリット

リテーナー契約の最大の魅力は、継続的かつ一貫性のあるサポートを受けられる点です。例えば緊急時に1からサービスを探す必要がなく、すぐに信頼できる相手に相談できることも大きな特徴です。

その他にも、以下のようなメリットがあります。

1.継続的なサポート
専門家やエージェンシーが企業の事業や商品を深く理解しているため、継続するにつれて施策の質が向上します。そのため、スポットで短期的に依頼するよりも成果を得られやすい施策です。

2.コスト管理が容易
毎月一定額の料金でサービスを利用できるため、予算計画が立てやすくなります。単発のスポット契約を繰り返すのに比べコストパフォーマンスが良く、予測しやすい出費がメリットです。

3.説明コストが減る
長期的な契約により、サービス提供者がクライアントのビジネスや商品を深く理解するため、施策の実施プロセスがスムーズになります。毎回説明する必要がなく、時間と手間が大幅に削減されます。

4.日常的なコンサルティングが可能
予算が割けない小さな相談や新規施策についても、気軽に相談できる点は大きな利点です。
計画的な改善や戦略立案に役立ちます。

5.急な業務にも対応可能
スポット契約と異なり、リードタイムが短縮され、急な依頼にも迅速に対応してもらえます。説明や見積もりのプロセスが最小限で済むため、突発的な業務にも柔軟に対応できます。

リテーナー契約のデメリット

一方で、リテーナー契約には注意すべき点も存在します。契約を結ぶ前に、柔軟性やコストの妥当性を十分に検討する必要があります。リテーナー契約のデメリットとしては以下のようなことが挙げられます。

1.柔軟性の欠如
業務が少ない時期でも、毎月一定の料金が発生します。
そのため、活動が希薄な期間にコストパフォーマンスが低下するリスクがあります。

2.契約に縛られる
一部のPR会社では、1年単位で契約が必要なルールが設定されており、サービス内容に満足していなくてもすぐに契約を解約できない場合があります。そのため、リテーナー契約を依頼する際には、1ヵ月前予告解約ができるか事前に確認しましょう。

スポット契約や成功報酬型契約との違い

スポット契約や成功報酬型契約との違い_インフォグラッフィック

リテーナー契約以外にも、スポット契約や成功報酬型契約などのサービス形態も耳にしたことがあるかと思います。
自社に最適な契約形態を選ぶためには、これらの契約形態を事前に比較しましょう。

スポット契約(単発契約)との違い

スポット契約は、特定のプロジェクトやタスクごとに費用を支払い、完了時点で契約が終了する仕組みです。この契約形態は、短期的なニーズや単発の業務に適しているため、初めてPRやマーケティング活動を試す企業にとってはリスクが低い選択肢といえます。

一方、リテーナー契約は長期的な視点でのサポートを前提としており、毎月一定額の費用で継続的に業務を依頼できる点が特徴です。これにより、PR会社が企業の事業や市場環境を深く理解し、戦略的かつ一貫性のあるサポートを提供できるメリットがあります。

特に、急な業務や緊急対応が発生した際、リテーナー契約では迅速に対応してもらえる可能性が高い一方で、スポット契約では見積もりや準備に時間がかかることがあります。

そのため、スポット契約は短期的・限定的な施策に適し、リテーナー契約は中長期的な広報戦略や継続的な支援を必要とする企業に向いています。

成功報酬型契約との違い

成功報酬型契約は、実際の成果に応じて報酬を支払う仕組みで、特に新規顧客の獲得やメディア掲載数など具体的な目標が設定されている場合に用いられることが多い契約形態です。この形態では、成果が出ない場合に費用が発生しないため、コストのリスクを抑えたい企業にとって魅力的です。

一方リテーナー契約は、成果に関わらず一定の費用を毎月支払うため、安定した予算計画が立てやすい点が特徴です。また、成功報酬型契約では特定の短期目標に焦点が当てられることが多く、戦略的な広報活動や長期的なブランド構築には不向きな場合があります。

リ一リテーナー契約では、成果がすぐに数値化されない活動(例:メディアとの信頼関係構築や社内広報の強化)にも対応できるため、包括的なサポートが期待できます

両者を比較すると、成功報酬型契約は具体的な短期目標を達成したい企業に適しており、リテーナー契約は戦略的かつ継続的な活動を重視する企業に適していると言えます。

関連:どのPRエージェンシーに依頼すべき?広告代理店との比較も含めて解説!

PR・マーケティングでの5つの活用ポイント

リテーナー契約の活用ポイント_インフォグラッフィック

PRやマーケティングでのリテーナー契約では、非常に有効的です。具体的にどのようなことに気をつければ効果が最大化できるのか、5つのポイントを解説します。

①業務内容を明確に記載

まずはじめに、リテーナー契約では業務内容を明確に定義しましょう。

例えば、年間でプレスリリースからのメディア掲載数は何件で、メディアコンタクトは月に何件対応するのか、そこからどの程度取材に繋げてもらうのかを明確に記載します。

そうすることで、依頼者もどこまでが契約内の業務なのかがわかり、相談しやすい関係性ができます。また、どの事業や製品が対象となるのかを契約書に明示することで、双方が業務の期待値を共有しやすくなります。

②期待成果の可視化

リテーナー契約では、期待成果を明確に数値化することも重要です。ただし、ここで注意すべきなのは「ノルマ」ではなく「期待値」を設定することです。

たとえば、プレスリリースからのメディア掲載数やSNS投稿のエンゲージメント率などを具体的に設定することで、PR会社のパフォーマンスを可視化し、効率的に業務を進められる環境を作ります。

しっかりと期待成果を示しておかないと、会社に対するリテーナー契約の成果説明が不明瞭になり、コストカットにつながってしまうこともあるでしょう。また、PR会社のパフォーマンス、つまり効率良く稼働させるためにも重要なことです。

③不利な契約縛りがないか確認

リテーナー契約は長期的なサポートが前提となりますが、契約期間についても柔軟性が必要です。

契約期間を1年に設定しても、1〜2ヵ月の予告期間で解約が可能な条件を入れてもらいましょう。万が一のトラブルや状況の変化に対応しやすくなります。

④コミュニケーションがとりやすい環境作り

成功するリテーナー契約には、双方的なコミュニケーションが欠かせません。

例えば、月1回から週1回の定例ミーティングを設定する、PR会社の窓口担当者を明確に決めておく、タスク管理ツール(Backlog)や共同作業用のGoogleドキュメントなどのツールを活用するなどの工夫をして、普段から円滑にコミュニケーションが取れる環境を整えましょう。

⑤四半期毎のレビュー実施

四半期ごとに契約内容や業務の進捗をレビューすることも大切です。

このタイミングでお互いの期待値をすり合わせ、次の四半期に重点を置くべき施策を具体化します。このプロセスを通じて、契約内容や業務の方向性がより明確になり、双方の満足度を高めることができます。

まとめ:活用次第で大きなメリットを得られる

リテーナー契約

リテーナー契約は、継続的なサポートを必要とするPRやマーケティング業務において、安定した関係を築ける非常に有効な契約形態です。毎月一定のフィーで幅広いサポートが受けられるため、急な対応や長期的な戦略実行が求められる場面で大きなメリットを得られます。

シェイプウィンでは、リテーナー契約を含むさまざまな契約形態でPRやマーケティング分野におけるサービスを提供しています。ぜひお気軽にご相談ください。

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編集部
広報PRとデジタルマーケティング支援をするシェイプウィンスタッフおよびパートナースタッフによる編集記事です。メディアリレーションズやプレスリリース、メディア露出、ソーシャルメディア、インフルエンサー、SEO、マーケティングなど様々なジャンルを取り扱っており、基本用語から広報初心者やマーケティング担当者に役立つ情報をお届けします。