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広報の基礎「クリッピング」とは?3つの役割と5つのPR活用方法

クリッピング とは

クリッピングは、広報活動の基礎とも言える重要な手法です。自社のメディア露出量を認識したり、最新のトレンドをキャッチアップすることで、自社の戦略を強化できます。

しかし、広報の業務は多岐にわたります。日々の業務に追われて、ただなんとなくクリッピングを行っていたり、時間の空いた時に行う二の次の業務として認識していませんか?

この記事では、クリッピングの基本的な役割とその活用方法を詳しく説明し、広報活動をさらに効果的にするためのステップを紹介します。PRへの活用方法を知ることで、これまでの広報活動が大きく変わるでしょう。

クリッピングとは

クリッピング とは_説明インフォグラフィック

クリッピングは、広報活動において重要な手法の一つで、メディアに掲載された情報を収集し、分析するプロセスを指します。

企業が発信したプレスリリースやキャンペーン情報が、どのように報道されたのか、どのメディアでどのように扱われたのかを把握することで、PR戦略の効果を測定できます。現代では、マスメディアのみならずTwitter(X)、Instagram、Facebook、YouTubeなど、オンラインプラットフォームのクリッピングも必須です。

クリッピングを活用することで、広報活動の成功を可視化し、次なる戦略に繋げることができます。

クリッピングの主な役割3つ

クリッピングの主な役割_インフォグラフィック

クリッピングを効果的に活用することで、企業はより戦略的な広報活動が行えます。まず初めに、クリッピングの主な役割3つについて解説します。

1世の中の流れを知る

クリッピングの一つ目の役割は、世の中の動向やメディアの動きを追いかけ、時代の流れを把握することです。

現代において、どの企業も急速に変化するトレンド対応力が求められています。日々クリッピング業務に取り組むことで、最新のニュースやトレンド、業界の動きを把握することができ、企業は時流に乗った広報戦略を策定することができます。

例えば、新しい技術や社会的な問題が取り上げられた場合、企業はその動向をクリッピングを通じてキャッチアップし、その情報に基づいてビジネスの対応をすることが可能です。このような動きは、ビジネスチャンスを逃さないために重要なことです。

世の中の流れを把握することで、広報活動が常に最新の情報に基づいて行われるようになり、企業のブランド価値を高めることができます。

2競合の動向を知る

クリッピングの二つ目の役割は、競合他社の動向を把握することです。

市場において競争優位を保つためには、競合がどのような広報活動を行っているのかを常に認識しておく必要があります。クリッピングを通じて競合の最新サービスやキャンペーンをいち早くキャッチアップすることで、自社の戦略を適切に調整することができます。

例えば、競合が新しい製品を発表したり大規模なキャンペーンを展開した場合、その情報をクリッピングで収集し、迅速に分析することが求められます。

このように競合の動向を把握することで、自社の経営企画に役立てたり、メディアからの取り上げられ方を把握することができます。

自社の見られ方を知る

クリッピングの三つめの役割は、自社がメディアでどのように取り上げられているかを把握することです。ポジティブな報道はもちろん、ネガティブな報道もクリッピングを通じて確認することが重要です。

これは、攻めと守りを両立する広報活動として非常に重要で、ポジティブな報道を広げブランドイメージを高める一方、ネガティブな情報に迅速に対応し、企業の評判を守ることが求められます。特に、ネガティブな報道に関しては、事実に基づかない誤報がないかをチェックし、必要であればメディアに訂正依頼をすることが求められます。

クリッピングを通じて自社の見られ方を継続的にモニタリングすることで、常にブランドの信頼性を維持し、広報戦略の改善に役立てることができます。

クリッピング手法

広報の基礎「クリッピング」とは?3つの役割と5つのPR活用方法

クリッピングを効果的に行うためには、いくつかの方法があり、企業の目的や予算に応じて適切な手段を選ぶことが重要です。ここでは、代表的なクリッピング手法を3つ紹介します。

1Googleアラート

Googleアラートは、無料で利用できる非常に手軽なクリッピング手法です。

特定のキーワードを設定しておくだけで、Googleがインターネット上で新たに公開された関連情報を自動的に通知してくれます。これにより、自社のブランドや競合他社に関する最新のニュースを素早くキャッチアップすることが可能です。

Googleアラートの大きな利点は、コストがかからず手軽に始められる点です。中小企業や予算の限られたスタートアップにとって、まずはこの無料ツールを活用して基本的なクリッピングを行うのは賢明な選択です。

しかし、情報の精度や網羅性に限界があるため、大規模な企業やより詳細な分析が必要な場合には、他の手法と併用することが推奨されます。

2クリッピング会社を利用する

クリッピングに特化した専門会社を利用する方法もあります。

代表的なクリッピング会社としては、ジャパン通信社内外切抜通信社などがあります。これらの会社は、紙媒体の切り抜きにも対応しており、テレビや雑誌、新聞など幅広いメディアを対象にクリッピングを行ってくれます。

クリッピング会社の強みは、テーマに沿って特定の情報を追跡してくれる点にあります。例えば、特定の業界やトピックに関する情報を網羅的に収集することができるため、詳細で精度の高いデータが得られます。デジタルメディアだけでなく、紙媒体などのマスメディアにおける掲載情報も把握したい企業にとっては最適です。

しかし、サービスの範囲は単にクリッピングを行うことに留まりますので、その後どのように広報業務に生かせば良いかなど、PR戦略については自身で取り組む必要があります。

3PR会社のサービスを利用する

最後の選択肢として、PR会社のクリッピングサービスを利用する方法があります。

PR会社は、企業の広報活動全般をサポートしており、クリッピングサービスも提供しています。PR会社のサービスを利用することで、抑えられたコストで専門的なクリッピングを行うことが可能です。

また、PR会社はメディアとの強力なネットワークを持っているため、掲載情報を効率的に収集し、サービスによっては分析してくれます。さらに、クリッピングに加えて、PR戦略の立案や実施もサポートしてくれるため、一貫した広報活動を行いたい企業にとっては非常に有用です。

コストを抑えつつ、広報活動の総合的なサポートを受けたい場合には、PR会社に依頼すると良いでしょう。

クリッピングの5つの活かし方

クリッピング 5つの活かし方_インフォグラフィック

クリッピングを行うことでさまざまなメリットがありますが、クリッピングをした後にどのように自社の広報活動に活かすかが重要です。

クリッピングを適切に活用することで、自社の掲載状況を把握し、戦略的な広報活動を展開することができます。次に、クリッピングを活かすための具体的な方法を紹介します。

1自社掲載の訴求に活かす

クリッピングを継続的に行うことで、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、Webメディアなど、さまざまなメディアにおける掲載記事の傾向や特徴、ターゲット層の違いが明確になります。この情報を基に、広報活動をさらに効果的に展開することが可能です。

例えば、過去のデータを分析することで、特定のメディアに対するアプローチ方法を見直し、掲載される可能性が高いメディアを特定できます。これにより、広報戦略の精度を高め、自社のメッセージを効率的に届けることができるようになります。

2掲載の可能性を探る

競合他社が掲載された内容をクリッピングすることで、自社が掲載される可能性のあるメディアや時期を探ることができます。

特に、競合が多く取り上げられている時期やトピックを分析することで、自社の掲載チャンスを見つける手がかりになります。また、掲載が多いタイミングを把握することで、広報活動をその時期に集中させ、効果的なメディア露出を狙うことが可能です。

このように、クリッピングを通じて競合の動向を監視し、自社のPR活動に反映させることで、効果的な広報活動が期待できます。

3広報活動の見える化

クリッピングを行うことで、広報活動の効果を数値で測定することができます。

例えば、広告換算価値、報道時間、露出量などの指標を基に、どれだけのメディア露出が得られたかを評価します。さらに、商品やサービスに関する掲載記事を集計・分析することで、広報活動の成功要因や次回以降の改善点を見つけることができます。

広報活動の効果測定に活かすことで、広報戦略の見える化が進み、次回の施策に向けた具体的な改善策を導き出すことができます。

4掲載と戦略のギャップを確認する

クリッピングを通じて、自社が狙っていたPR案件と実際に取り上げられた内容のギャップを確認することも重要です。

例えば、掲載日、媒体社、媒体名、タイトル、PR案件(商品名など)、掲載概要(段数、頁数、時間)などの項目を記録することで、メディアアプローチに取り組む前の戦略と実際の掲載結果を比較できます。

掲載物の分析を通じて、戦略と実績のギャップを明確にして、次回の広報活動に向けて戦略を修正するための具体的なデータを得ることができます。

5社内共有

クリッピングで得られた情報は、社内で幅広く活用できます。クリッピングを通じて得られた情報を社内で共有することで、全社的な広報戦略の強化が期待できます。

例えば、掲載された商品やサービスに対するメディアの評価は、営業部門が営業活動のヒントとして活用できます。また、経営企画部門では、次回の企画立案や競合の動向チェックに役立てることができるでしょう。

このような社内共有での活かし方は、社内リレーションを構築することにも繋がります。

クリッピングの注意点

クリッピングの注意点_インフォグラフィック

クリッピングは、効果的な広報活動を支える重要な手法ですが、いくつかの注意点を理解しておく必要があります。費用や著作権、効率性など、クリッピングを行う上で事前に知っておきたい注意点について解説します。

費用対効果をチェックする

クリッピングは、取り扱う媒体の範囲を広げれば広げるほど、作業量が増え、費用もかさみます。

例えば、新聞、雑誌、テレビ、Webメディア、SNSなど多岐にわたるメディアを対象にクリッピングを行う場合、それぞれの媒体に対する詳細な情報収集が必要になります。これにより、時間とコストが増加し、場合によっては費用対効果が低下する可能性があります。

広報担当者は、どのメディアを優先するべきか、どの程度の深さでクリッピングを行うべきかを事前に明確にすることが重要です。適切な判断により、無駄なコストを削減し、効果的な広報活動を維持することができます。費用対効果を常に意識し、必要に応じてクリッピングの範囲や手法を調整することが大切です。

著作権に注意する

クリッピングされた記事やコンテンツをそのまま自社ツールや資料に活用する際には、著作権に十分注意が必要です。

例えば、自社に関する情報が掲載された新聞記事をスキャンして社内掲示板に掲載したり、コピーして社内外に配布する行為は、著作権者の許可が必要です。許可を得ずにこれらの行為を行うと、著作権侵害となり、法的問題が発生する可能性があります。

著作権を尊重し、クリッピングを活用する際には必ず必要な許可を取得するようにしましょう。また、クリッピングした内容を外部に共有する場合も、適切なライセンス契約を結ぶことが推奨されます。これにより、リスクを回避しながらクリッピングを効果的に活用することができます。

クリッピングに必要な工数を考える

クリッピングは、詳細な情報収集と分析を伴う時間のかかる業務です。

手動でクリッピングを行うのは効率が悪く、コストがかかりすぎる可能性があります。ツールやソフトウェアを活用する、あるいはクリッピング作業をアウトソーシングすることで、業務の効率化を図ると良いでしょう。

先述したような専用のクリッピングツールやクリッピング会社、PR会社に依頼することで、コストを抑えつつ、効果的なクリッピングを実現することができます。

クリッピングサービスの利用だけでは不十分

自社でクリッピングを行うことは非常に多くの工数がかかり、サービスを活用することが推奨されますが、クリッピングサービスは単にメディア掲載情報を報告してくれるツールの一つであり、クリッピングをしただけでは意味がありません。

クリッピングされた情報をどのように活用するか、そしてどのメディアをクリッピング対象とするべきかは、広報担当者自身が戦略を立てる必要があります。クリッピングの報告を受けた後、それを基にどのようなアクションを取るかが広報活動の成功を左右します。

例えば、報告されたネガティブな記事に対して、どのように対応するかを考えたり、次回のPR戦略にどう活かすかを検討する必要があります。また、PR会社と協力して、クリッピング結果を基にした具体的なアクションプランを立てることも効果的です。

まとめ:クリッピングをもとにどのような戦略を立てるか

クリッピング

クリッピングは、企業がメディアでの露出を効果的に管理し、広報活動を最適化するために重要なツールです。競合の動向を把握し、自社の掲載状況をモニタリングすることで、広報戦略の精度を高めることができます。

しかし、クリッピングだけ行っていても広報活動には活かされないでしょう。広報活動を効果的に進めるためには、クリッピングで得られた情報をどのように活用するかが鍵となります。

メディアアプローチやSNSの運営など多岐にわたる広報業務とクリッピングをどのように連携させれば良いのか、広報PRにまつわるノウハウや最新情報が必要な方は、ぜひシェイプウィンの無料メールマガジンもチェックしてみてください。

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編集部
広報PRとデジタルマーケティング支援をするシェイプウィンスタッフおよびパートナースタッフによる編集記事です。メディアリレーションズやプレスリリース、メディア露出、ソーシャルメディア、インフルエンサー、SEO、マーケティングなど様々なジャンルを取り扱っており、基本用語から広報初心者やマーケティング担当者に役立つ情報をお届けします。