「メディア」と「マスメディア」の違い、メディアの種類を曖昧にしていませんか?広報活動において、ターゲットに確実にメッセージを届けるためには、メディアの違いを知っておく必要があります。
マスメディアとメディアについて正しく理解できていない場合、いくらメディアアプローチを行っても効果を得ることは難しいでしょう。
本記事では、メディアとマスメディアの違いを明確にし、それぞれの効果的な活用方法を解説します。広報戦略の基本を見直し、さらに一歩進んだメディアアプローチを行いましょう。
マスメディアとメディア、マスコミの違い
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メディアとマスメディアは、情報を伝達するための手段として広く使われていますが、その対象や情報を届ける範囲に違いがあります。
PRやマーケティングに関わる方々にとっては、これらの違いを理解することが重要です。まず初めに、メディアとマスメディアの違いについて解説します。
メディアとは
メディアとは、情報を伝達するための手段や媒体であり、社会におけるコミュニケーションの基盤です。
メディアの歴史は、口頭伝承や手紙、印刷技術の発展による新聞や書籍から始まりました。20世紀に入るとラジオやテレビが登場し、大衆への影響力が大幅に拡大しました。
そして、インターネットの普及により、デジタルメディアが加わり、リアルタイムで双方向のコミュニケーションが可能となり、情報の伝達手段がさらに多様化しました。
マスメディアとは
マスメディアは、「マス(mass)」という言葉が示すように、広範なオーディエンスに向けて情報を発信するメディアを指します。
特に新聞、テレビ、ラジオなどが代表的な例で、マスメディアは、一度に多くの大衆に向けて情報を届けることが特徴として挙げられます。PR業界の人は「メディア」と言ったらマスメディアをイメージすることが多いです。
企業にとっては、大規模なマーケティングキャンペーンや広範なブランド認知度の向上に役立つツールです。
マスコミとは
マスコミは、「mass communication(マスコミュニケーション)」の略で、大衆伝達という意味です。
日本では、マスメディアは「情報を伝達する媒体」を指し、マスコミは「その媒体を通して行われる情報伝達の活動」を意味します。
例えば、新聞やテレビの報道活動がマスコミに該当します。企業が広報活動を行う際には、マスコミとの良好な関係を築くことが、情報を効果的に発信する上で重要となります。
マスメディアを活用するメリット
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マスメディアの特性を理解し適切に使い分けることで、特定のターゲット層に対してより効果的にメッセージを届けることができます。
次に、マスメディアの活用によってどのようなメリットを得られるのか詳しく解説します。
広く社会に情報を発信できる
マスメディアを通じて情報を発信することで、企業は幅広い社会に対してメッセージを届けることができます。
例えば、新聞、テレビ、ラジオといったメディアは、地域や国全体に広く影響力を持つため、情報が広く拡散されます。マスメディアに取り上げられることにより、企業のメッセージが多くの人々に伝わり信頼性が高まると同時に、企業の認知度やブランドの信用力も向上します。
メディアを使い分けることで特定のユーザーに届けられる
マスメディアの中でも、目的に応じて特定のメディアを選び活用することで、特定のユーザー層に対してより効果的にメッセージを届けることができます。
例えば、医療機器メーカーが「日経メディカル」や「週刊医学界新聞」といった専門的な医療雑誌に広告を掲載することで、医師や医療関係者に直接アプローチできます。また、アウトドア用品メーカーが「山と溪谷」や「BE-PAL」などのアウトドア専門誌を通じて情報発信を行うことで、アウトドア愛好者に効果的にリーチできます。
このように、ターゲットから適切にメディアを選定することにより、企業のメッセージをより深く伝えることができます。
各メディアの違い、特徴(第5のメディア:各メディアの特徴)
次に、メディア媒体の違いや目的について解説します。適切にターゲットにアプローチするためには、メディアの特徴について理解することが重要です。
新聞
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新聞は、信頼性の高い情報源として長い歴史を持ちます。
読者層は中高年が中心で、政治、経済、社会問題などのトピックを広くカバーしています。地方紙は地元に関するネタを発信するのに優れたメディアで、ローカルなターゲットに効果的です。
例えば、全国紙の「読売新聞」や「朝日新聞」は、広範な読者層にリーチする力を持っていますが、地方紙「北海道新聞」や「中日新聞」などは特定の地域に深く根ざした情報を提供します。
テレビ
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テレビは、視覚・聴覚的にインパクトを与えられ、広範な視聴者層にリーチするメディアです。全国ネットの番組から地方局のニュースまで、幅広い層に情報を届けることができます。
例えば、「NHKニュース」は全国的な信頼性が高い一方で、地方局の「HTBイチオシ!」のような番組は、地域に密着した視点で情報を提供します。テレビ広告は、製品の知名度向上やイメージの確立に効果的で、大規模なキャンペーンに適しています。
ラジオ
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ラジオは、特定の時間帯や地域に密着したメディアであり、日常の合間に情報を届けるのに適しています。ラジオは、リスナーとの親密な関係を築きやすく、特定のメッセージを繰り返し届けることが可能です。
例えば、通勤時間帯に放送される「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」は首都圏のビジネスパーソンに広く聴かれています。また、地域のFM局は地元に密着した情報を提供し、地域社会とのつながりを強化するのに役立ちます。
雑誌
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雑誌は、特定のテーマや関心に基づいてニッチな情報を報道することが特徴です。ターゲット層が明確で、広告効果が高いメディアです。
例えば、「家庭画報」や「婦人公論」などの生活・文化に特化した雑誌は、主に女性読者をターゲットにしています。また、「日経ビジネス」や「プレジデント」といったビジネス雑誌は、経営者やビジネスパーソンを中心に支持されています。
このように、雑誌はターゲットに特化したマーケティングに最適なメディアです。
Webメディア
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Webメディアは、インターネットを通じて情報を発信する媒体の総称で、最近では「第5のマスメディア」としてその影響力が急速に高まっています。
ニュースサイトやポータルサイトに加え、SNSなどのソーシャルメディアも含まれ、情報の拡散力が非常に強いのが特徴です。たとえば、Yahoo!ニュースやLINEニュースといったニュースサイトは膨大なアクセス数を誇り、また、TwitterやInstagramを活用した情報発信は、瞬時に多くのユーザーにリーチできる点が特徴です。
広報担当者のためのマスメディアの使い方とコツ
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それではどのようにマスメディアを活用することができるのでしょうか。広報担当者がマスメディアを効果的に活用するためには、ターゲットの明確化やメディアの選定が重要です。
次にマスメディアを活用するポイントについて詳しく解説します。
ターゲットの明確化と適切なメディア選定
マスメディアを活用する際には、まずターゲットオーディエンスを明確にすることが重要です。その後に、ターゲットにあったメディアの選定を行いましょう。
誰に何を伝えたいのか、その層がどのようなメディアを利用しているのかを理解することで、より効果的なメッセージングが可能になります。例えば、若年層向けにはSNSやオンラインメディア、ビジネス層にはビジネス誌や新聞が効果的です。
ターゲットとメディアにあったネタを提供する
いくらニュースバリューが高いネタを持っていても、売り込む先が適切でなかった場合、メディアには取り上げられません。ターゲットとメディアの特徴を考慮し、メディアにアプローチしましょう。
例えば、全国紙向けには広範な社会的意義を持つニュースを提供し、専門誌には特定の業界や技術に関する深堀りされた情報を提供します。また、メディアの担当者に直接ヒアリングを行い、どのメッセージが読者に響くかを確認することも有効です。
アーンドメディアとペイドメディアを使い分ける。
各メディアはアーンドメディア、オウンドメディア、ペイドメディアのいずれかに分類されます。
アーンドメディアは口コミやレビューなど、第三者による評価で信頼を得るもの、オウンドメディアは自社運営のウェブサイトやブログ、ペイドメディアは広告などの有料媒体を指します。
例えば、オウンドメディアとしての自社ブログを運営しつつ、口コミサイトでの評判をアーンドメディアとして活用し、必要に応じて広告を配信することで、バランスの取れた広報活動を行うことが可能です。
狙ったターゲットに対して、適切なタイミングで伝えたいメッセージを効果的に発信するために、これらのメディアを戦略的に組み合わせましょう。
よくある質問
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マスメディアとSNSの違いは何ですか?
マスメディアとSNSは、情報の伝達方法や影響力の範囲において大きな違いがあります。
マスメディアは、テレビや新聞などを通じて広範囲に情報を一方向で発信するのが特徴です。一方、SNSは個人や企業が情報を発信し、リアルタイムで双方向のコミュニケーションが可能です。
また、SNSはターゲット層に対してよりパーソナライズされたアプローチができるため、個別の関心やニーズに応じた情報提供が可能です。
まとめ:マスメディアの特性を理解し活用することが重要
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メディアとマスメディアの違いを理解することは、効果的な広報活動において非常に重要です。
企業がマスメディアを活用することで、広範なオーディエンスにリーチし、ブランドの信頼性や信用力を向上させることが可能です。
この記事では、メディアとマスメディアの違いやメディア媒体の特徴について解説してきましたが、実際にメディアに取り上げられるためにはメディアリレーションズやプレスリリースの作成など、さまざまなPR活動を行う必要があります。
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