ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用状況は年々高まっており、日本全体で70%を超え、80%に上りました。(※)
これは言い換えると、ビジネスを展開する企業にとってSNSを活用することで売上につなげる大きなチャンスがあるということです。
しかし一方で、あなたの会社では、SNSを効果的に活用できていますか?単にSNSアカウントを作り、日々投稿しているだけでは効果は生まれないでしょう。そのような運用と、「SNSマーケティング」には大きな違いがあります。
そこで今回の記事では、実際の成功事例をもとに、SNSマーケティングの手法や参考にしたい成功ポイントを解説します。ぜひ本記事を自社のマーケティング活動にお役立てください。
※ https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/230529_1.pdf
SNSマーケティングとは
SNSマーケティングは、ブランドの視認性を高め、直接的な消費者とのコミュニケーションを実現するマーケティング手法です。
特に2018年にInstagramがショップ機能を導入して以来、消費者はSNSを通じて製品を直接購入できるようになり、企業にとっての売上向上のチャンスが拡大しています。このように、SNSはただの情報共有ツールから、重要なマーケティング手法になってます。
SNSマーケティングと自然検索や広告の違い
SNSマーケティングは、ターゲットとなる消費者に直接リーチすることが可能で、そのインタラクティビティが高いことから、自然検索や広告と異なります。
SEOやGoogle広告などは、検索エンジンを通じてユーザーに情報を届ける手法であり、安定した流入は見込めるものの、SNSではよりダイナミックにユーザーの関心を引き、即座に反応を得ることができます。
一方SNSマーケティングでは、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用することで、消費者が自らの体験を共有することがブランド信頼性の向上に直結し、実質的なコンバージョンに結びつきます。
SNSマーケティングの特徴と効果的な戦略
SNSの活用は多岐にわたり、それぞれのプラットフォームによってユーザーが期待するものが異なります。
Facebook
・親しい人々とのつながり維持
・趣味や興味に合ったコンテンツの発見
・イベントや活動の情報入手
Instagram
・ビジュアルコンテンツの魅力的な共有
・トレンドやファッションの最新情報
・クリエイターやインフルエンサーとの接触
Twitter(X)
・最新ニュースやトレンドの追跡
・直接的な意見交換と議論
・有名人や専門家とのダイレクトなコミュニケーション
YouTube
・エンターテインメントや音楽、ビデオ
・ブランドや製品の詳細なレビューとデモ
・ユーザー自身の体験や知識の共有
TikTok
・短い時間で楽しめるコンテンツ
・トレンドやダンスチャレンジへの参加
・クリエイティブなコンテンツ作成と共有
そのため、SNSマーケティングでは各プラットフォームの特性を理解し、そこに適したコンテンツを企画・投稿することが重要です。
SNSマーケティングのプラットフォームと期待できる効果
各SNSプラットフォームはその特性に応じて異なる効果を企業にもたらします。
例えば、Instagramは高いビジュアルとハッシュタグを活用して、特定のトレンドやライフスタイルに合わせたマーケティングが可能ですが、YouTubeは詳細な内容を伝えることができ、教育的な要素を含むコンテンツや製品レビューに適しています。
これらのプラットフォームをうまく活用することで、ブランド認知度の向上、ターゲット市場とのエンゲージメント強化、そして売上げの増加が期待できます。
各プラットフォームの特徴や性質は以下の記事をご覧ください
企業がSNSマーケティングを始めるべき5つのメリット
SNSマーケティングのトレンドやコツなどの情報収集方法
SNSのトレンドやアルゴリズムは日々変化します。
効果的なSNSマーケティング戦略を構築するためには、常に最新のトレンドや事例を把握し、それらを自社の戦略に活かすことが重要です。
シェイプウィンでも、SNSマーケティングに関する情報やトレンドをいち早くキャッチアップしています。ここでは、どのように情報収集を行っているのか、SNSスペシャリストが実際に行っている情報収集方法を紹介していきます。
SNS関連のセミナー受講やメルマガ登録する
SNSマーケティングを学ぶ最も効果的な方法の一つは、セミナーに参加することです。セミナーでは具体的な成功事例や最新のマーケティング戦略が共有されるため、リアルな学びとなります。
例えば株式会社NONAMEのセミナーはYouTubeからも気軽に参加退出できるため、メルマガで事前告知される施策内容や企業名を見て参加の有無を決めることができます。
SNS担当者をやっている知人に話を聞く
SNSマーケティングを行っているプロや、インフルエンサーとして活躍している人から直接話を聞くことも、有効な情報収集方法です。
彼らは最新のトレンドや効果的な投稿のスタイル、さらには特定のターゲットに最適なコンテンツ形式についての貴重な洞察を提供してくれます。
自分で実際にSNSを運用し、新機能が出たらまず自分で試してみる
自分自身で複数のSNSアカウントを運用することは、様々な業界の動向を理解し、どのようなコンテンツが良いパフォーマンスを示すかを把握するのに非常に効果的です。
実際に異なる業界のアカウントを管理することで、業種による適性を判断し、それぞれの業界で何が成功しているのかを直接的に学ぶことができます。新機能が出たら、まずは自分で使ってみることも重要です。
また、他の運用代行会社と情報を共有することで、ネット上には公開されていない貴重なデータや洞察を得ることができます。
SNSマーケティングを活用した5つの成功事例
それではここから、実際にSNSマーケティングをうまく活用して成功している5つの事例を元に、SNSマーケティングで成功するためのスキルを解説します。実例を見ながら自社に合ったSNSマーケティング手法を見つけていきましょう。
①SNSのアルゴリズムに基づいた運用戦略
②SNSの特性に合わせた最適なクリエイティブ戦略
③キャンペーン企画を通じて購入意欲を促進させるクリエイティブ作成
④リアルな声を生かしたモニターキャンペーン企画
⑤影響力を活かしたインフルエンサー・アンバサダーの活用
①マクドナルド:滞在時間を伸ばす仕掛け作り
Xでは、投稿の滞在閲覧時間が長ければ長いほど、その投稿はより多くの人に閲覧される可能性があると言われています。そのため、マクドナルドが行っている「間違い探し」のようなユーザーに参加を促す投稿は、ユーザーの滞在時間を自然と伸ばすことができ、アカウントに良い影響を与えます。
また、間違い探しの参加後、ユーザーにコメントをさせるように誘導することで、さらにエンゲージメントを伸ばすことに繋がり、タイムラインへの上位表示が狙えると推測できます。
●成功のポイント
・アルゴリズムに基づいたコンテンツの仕掛け作り
②ユニクロ:プラットフォームごとに合わせた訴求ポイント・デザイン
クリエイティブ(投稿コンテンツ)は、各SNSに合わせた最適なアスペクト比、訴求内容に沿った投稿形式でデザイン作成することが重要です。
同じクリエイティブでも、SNS毎にユーザーの利用目的やインターフェースは異なるので、各SNSに合わせた最適なアスペクト比と、訴求内容に沿った投稿デザインで、リーチやインプレッション数を狙うことが大切です。
ユニクロは、同じ商品でもプラットフォームごとに訴求ポイントやデザインを変えることで、ユーザーから高いエンゲージメントを得ていると推測できます。
●成功のポイント
・各SNSの利用目的とインターフェースを抑えたクリエイティブ戦略
③Glam Beautique:購買につながる動線作り
Glam Beautiqueが実施しているプレゼントキャンペーンは、参加手順が少なく、参加のハードルが低いためユーザーが簡単に参加できるよう工夫されています。
また、この施策ではキャンペーンに参加してもらうだけでなく、商品の魅力や特徴を伝えることも重視しています。実際に商品を使用したイメージ画像や商品の使用方法を掲載することで、ユーザーに商品をどのようなシーンで使用できるかを明確に訴求することができます。
この工夫により、キャンペーンに当選されなかったユーザーも実際に商品を使用したくなるイメージを喚起させ、購買に繋がる導線を作ることができると思います。
https://www.instagram.com/p/C57Vxg8ST3z/?img_index=1
●成功のポイント
・キャンペーンをきっかけに購買につながる動線作りを行った投稿戦略
④ロート製薬:当選者のリアルな声を活かしたしたモニターキャンペーン
モニターキャンペーンは、新商品の認知を促進するのに最適な施策です。
投稿へのコメントを促すキャンペーン形式をとることで、投稿のエンゲージメントを高めながら、ユーザーに商品を認知させ、興味を引くことが期待できます。企業側からの一方的な情報発信だけでなく、当選者のリアルな声を発信してもらい、公式アカウントでも当選者の投稿を活用することができます。
このように、認知度を高めたい商品がある場合、モニターキャンペーンは非常に有効な手段です。
https://www.instagram.com/p/C6YJc5lBo7E
●成功のポイント
・参加者のリアルな声を活かしたモニターキャンペーンの実施
⑤タイムフリック:インフルエンサー・アンバサダーの影響力を活かした施策
ブランドや商品の認知度、信頼度を高めるには、インフルエンサーやアンバサダー施策が効果的です。
影響力のあるインフルエンサーに商品をレビューしてもらうことで、ブランドと商品の認知と信頼を高めながら購買まで繋げることが期待できます。一方、アンバサダー施策は、インフルエンサーとは異なり短期間で多くのレビューを獲得することができるため、費用対効果が高い施策です。
短期的にブランドや商品を認知させたい場合は、タイムフリックが実施しているような、アンバサダーを募集するキャンペーンも有効的な手段です。
https://www.instagram.com/p/C14GFUhrPev/?img_index=1
https://www.instagram.com/p/C4p4qKqBBed/?img_index=4
https://www.instagram.com/p/C0biqUuI50k/
●成功のポイント
・インフルエンサー・アンバサダーの影響力を活かした施策
SNSマーケティングで成功している企業の共通点
最後に、他社よりも一歩先を行くSNSマーケティングを行うために、SNSマーケティングで成功している会社の共通点を解説します。
目的やターゲットが明確
基本的なことですが、成功している会社は明確な目的とターゲットの設定を行っています。
企業は自社の商品やサービスを誰に、どのように価値を提供したいのかを明確にすることが重要です。明確な目的とターゲットの設定を行うことにより、適切なSNSプラットフォームの選択やコンテンツのカスタマイズが可能となり、効果的にターゲットオーディエンスにリーチすることができます。
ファネルを正しく理解している
マーケティングファネルの理解も、SNSマーケティングで成功する上で重要です。
ファネルとは、顧客の旅の各段階(認知、検討、購入、ロイヤルティ)を示し、それぞれの段階で顧客にどのように対応すべきかを図示したものです。成功している企業はこのファネルを活用して、情報の流れが速いSNS上で迅速にPDCAサイクルを回し、継続的な改善を行っています。
SNSごとの特性に応じてユーザーに響くコンテンツを作成している
各SNSプラットフォームは異なるユーザーベースと機能を持っているため、プラットフォームごとの特性を理解し、それに適したコンテンツを作成することが重要です。
例えば、Instagramはビジュアルコンテンツが強いプラットフォームであるため、魅力的な画像や動画でユーザーの注意を引きます。一方で、Twitterは情報の速報性が求められるため、短くてインパクトのあるコンテンツが効果的です。
SNSマーケティングのプロと協力している
実際のところ、SNSマーケティングで成功している多くの企業は、専門のSNSマーケティングエージェンシーと協力しています。
ここまでさまざまなコツを紹介してきましたが、それらを全て自社で行うのには限界があります。SNSの知見を持った会社には、豊富な実績と経験を持ったSNSマーケターがいます。初めの戦略・ターゲットの選定から相談してみるのも成功するための秘訣と言えるでしょう。
シェイプウィンでも、コンテンツ制作前に、マーケティング観点から分析を行った無料相談を行っていますので、お気軽にご相談ください。
よくある質問
UGCを促す方法はありますか?
UGCを促すためには、まずユーザーにインセンティブを提供することが効果的です。例えば、写真コンテストを開催し、最も良い投稿に賞品を提供することで、参加を促すことができます。
ユーザー生成コンテンツ(UGC):消費者が自発的に作成したコンテンツで、ブランドの信頼性と可視性を大きく向上させることが可能
SNSマーケティングのメリットは何ですか?
SNSマーケティングのメリットは、ターゲットオーディエンスと直接的にコミュニケーションを取ること、それにより顧客との関係を深めることが挙げられます。
詳しくは以下の記事をご覧ください
https://docs.google.com/document/d/1HoFTxkdSIeKLaLmeBqmJwbX6ixBmjb54m7hpVGySgBc/edit?usp=sharing
まとめ:成功事例をどのように自社の施策に落とし込むか
成功した企業の事例を参考にすることは、自社のSNS戦略を見直し、改善する上で非常に役立ちます。明確な目的とターゲットを持ち、各SNSの特性に応じたコンテンツを作成することで、SNSマーケティングはより効果的なものになります。
しかし、成功事例を参考にすることと、実際にその事例を自社の会社に落とし込み運用することには大きなギャップが存在します。全ての要素を自社でカバーするのは、特にリソースが限られている中小企業にとっては大きな壁と言えるでしょう。
シェイプウィンのSNS運用代行サービスでは、コンテンツ制作前に、マーケティング観点から分析を行い、SNSの位置づけや経営戦略と連携した戦略立案、KPIの設定まで行った上で、コンテンツの制作を開始します。
また、戦略に沿った投稿やキャンペーンはもちろん、最適なインフルエンサーの提案もワンストップで行えますので、まずは相談からお気軽にお問合せください。