PRの基本ツールである「プレスリリース」。広報やPR関係者は、「ニュースリリース」や「ニュースレター」などのワードを耳にすることもあると思います。これらの違いはご存じですか?
結論から申し上げると、プレスリリースとニュースリリースは同義語です。しかしニュースレターはリリースとは異なるもので、記者の読み物として活用されています。
今回の記事では、プレスリリース、ニュースリリースそしてニュースレターの違いについてまとめます。それぞれの用途を理解し使い分けながらメディアにアプローチすると、メディアの掲載率も変わってくるはずです。
プレスリリース、ニュースリリース、ニュースレターの意味
プレスリリース、ニュースリリース、ニュースレター、どれも企業のニュースをA4用紙1~3枚程度の文書にまとめてメディア各社に配信するものです。
新製品や新サービス、業務提携、人事異動など様々なニュースがありますが、まずはそれらの微妙な違いについて解説します。
プレスリリースとは
プレスリリースとは、「報道発表資料」のことです。
企業や団体が、メディア関係者に向けて「自社からのお知らせ(=新規情報)」を発表し報道してもらうことを目的に、簡潔にまとめた公式文書のことを指します。
・プレスリリース
官庁・企業・団体などが広報のために、報道関係者に向けてする発表。また,そのために配布する印刷物。ニュース-リリース。(引用:Weblio辞書)
プレスリリースは、企業とステークホルダーをつなぐ重要なツールです。
ニュースリリースとは
ニュースリリースも同様の意味を持ちますが、特に広報活動の一環として用いられる文書であり、直接的に一般公衆に向けて情報が発信されることが多いです。
・ニュースリリース
広報活動の一環として発表される文書や資料の総称。あるいは、発表や会見。「プレスリリース」とも言う。(引用:Weblio辞書)
ニュースリリースは、ウェブサイトやSNS、電子メールなど、直接的な顧客やステークホルダーとのコミュニケーションチャネルを通じて配布されることが一般的です。
ニュースレターとは?
「ニュースレター」とは、メディアに向けた記者の読み物です。
・ニュースレター
(特別購読者向けの)時事通信、(会社などの)社報、回報(引用:Weblio辞書)
サービスの導入事例や製品サービスの周辺情報(出来事)を盛り込んだ文書を作成します。マーケティングや広報PR活動においてステークホルダーと接点をつくるひとつの手段として活用されます。
プレスリリースとニュースリリースの違い
辞書で調べる限り、プレスリリースとニュースリリースの意味は同じです。
言葉の違いとしては、プレスリリースの「プレス」は報道機関という意味で、ニュースリリースは「ニュース」を表しています。
昨今では、ウェブサイトやSNS、ポータルサイト、など、さまざまな媒体を通じて生活者に直接情報を伝えることができるようになり、「ニュース」という言葉が普及してきたようです。一般の方への発表を兼ねる企業が多く、ニュースリリースという言葉の方が使いやすいかもしれません。
ニュースレターとプレスリリース・ニュースリリースの違い
プレスリリースは企業のニュースがないと出せませんが、ニュースレターは配信できます。また、記者クラブに配布することも許可されています。
プレスリリースと同じく、タイトルとリード、問い合わせ先を記載して、本文ではメディアの記事化に役立つ情報を盛り込みます。
サービスの導入事例では、導入の経緯から採用理由、導入企業での活用方法、機能の詳細などをまとめます。IT企業ではホームページに導入事例・ケーススタディーを掲載していることが多いので、ケーススタディーを具体的かつ客観的に書き直すことで十分なニュースレターとなります。
メーカーでは、製品の変わった活用方法や季節に合わせた活用方法など読者に役立つ情報をまとめるとよいでしょう。特にテレビや雑誌では、季節に合わせて「梅雨の対策グッズ」「冬の乾燥対策グッズ」など特集が組まれるので、その時期に合わせたニュースレターで記事化に繋がります。
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それぞれのメリット・デメリット
次に、プレスリリース・ニュースリリースとニュースレターのメリット、デメリットを解説します。
ここを理解することで、目的に応じてプレスリリース・ニュースリリースとニュースレターを使い分けることができるでしょう。
プレスリリース・ニュースリリースのメリット・デメリット
プレスリリースを配信するメリットは、製品発表や重要なイベントなど、新しい情報を迅速かつ広範囲に伝えることができる点にあります。また、プレスリリースを通じてメディアに取り上げられると、その情報の信頼性が増し、企業の認知度向上に繋がります。
デメリットは、配信タイミングが限られていることです。企業としてニュースとなる案件があった場合は配信できますが、そこまでニュースバリューが高くなかったり小さな動きの場合は配信が難しいでしょう。
また、プレスリリースは会社からの公式文章のため、作成するために時間とリソースが必要です。せっかく時間と労力をかけてもメディアに取り上げられる保証がないため、時として期待する結果を得られないというリスクも伴います。
ニュースレターのメリット・デメリット
ニュースレターを配信するメリットは、新規情報についての内容でなくても配信できるという点にあります。
そのため、ニュースレターを活用することで、「メディア関係者とコミュニケーションをとりたいけれど、プレスリリースとして発表できる新しいネタがない」といった場合でもメディアと接点をつくれるのがメリットです。
もちろん、ニュースレターのネタは何でもいいわけではありません。プレスリリースと違って、メディアが最も注目するニュースバリュー「新規性」がない分「時節性」「意外性」など、ほかの切り口で訴求しなければ目に留めてもらえないという点は注意が必要です。
しかしデメリットとして、時にメディアにとって情報量が多すぎることは逆効果にもなりうるため、情報の質と量のバランスが重要です。
プレスリリースとニュースリリース、ニュースレターの違いまとめ
プレスリリースと呼ぶかニュースリリースと呼ぶかは、実務においてあまり問題になりません。自社がどちらの言葉を使うかは統一しておいた方がよいです。
一方で、ニュースレターは企業のニュースではない場合も配信することができるので、ニュースがない時にはニュースレターを活用し、毎月1回はプレスリリース・ニュースリリースの配信ができるようになると掲載の量も幅も広がってきます。
企業やサービス・製品にニュースがないと困っている広報担当者は、ぜひニュースレターからチャレンジしてみてください。「そもそもこの案件がどちらに適しているのかわからない」という相談もよく受けます。
シェイプウィンの成功率9割の代行サービスでは、プレスリリースとニュースレターの作成を行っています。また、登録ライターが所属するメディアに対して記事をプロモートする「メディアプロモートプラン」もあり、記事化・メディア露出を狙いやすいです。相談から受け付けていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
よくある質問
最後に、プレスリリースにまつわるよくある質問を紹介します。
プレスリリースは何ヶ月前に見るべき?
イベントやプロジェクトの性質によりますが、一般的に重要なイベントや発表など案件は、1〜2ヶ月前に配信するのが理想的です。
まとめ:ゴールに合わせた使い分けが重要
ここまでで解説してきたように、プレスリリース・ニュースリリースとニュースレターはそれぞれ異なる特徴があります。
まずはPR担当者として、これらのツールの違いを理解し目的に応じて適切に使い分けることで、掲載率を変えていけるでしょう。
しかしどちらも、配信のタイミングを逃してしまった場合はメディアにアプローチすること効果的ではありません。多くのPR担当者は少人数で色々な業務を兼務していることも多く、全ての案件を適切なタイミングで使い分け対応することは難しいでしょう。
シェイプウィンでは、PRだけではなく、SNS・SEOの観点からも総合的にサポートしています。自社のゴールに合わせてどのようなPR戦略が必要なのか、まずは相談からお気軽にご連絡ください。