PRの成功は、プレスリリースの適切なネタの選定から始まると言っても過言ではありません。
しかし、そもそも何をプレスリリースにすればいいのか、PRネタを集めるところから苦戦しているPR・広報初心者の方も多くいらっしゃいます。
そこで今回は、すぐに自社に取り入れられるプレスリリースの定番ネタと、メディアに刺さるネタ探しのポイントを紹介します。後半には、トレンドのPV数上位に上がっているプレスリリースの事例解説も行いますので、ぜひ参考にしてください。
メディアがよく取り上げるネタの共通点
プレスリリースのネタ探しと言っても、メディアに興味を持ってもらえるものでなければ意味がありません。
メディアの注目を集めるプレスリリースには、特定の要素が含まれています。それぞれの要素がどのようにメディアの関心を引くのか、詳しく見ていきましょう。
1.意外性が高い内容
意外性とは、一般的な予想や常識と異なる、驚きや新鮮さを提供する情報の特性を指します。正確には、メディアだけではなく視聴者や読者も注目するため、ニュースとして話題になりやすいから重要な要素だと言えます。
例えば、「ある食品に意外な健康効果が!」といったキャッチコピーなど、従来の常識を覆すような発見や研究結果は、その意外性からメディアの興味を惹き、広く報道される要素となります。これらの情報は、読者に新たな発見や驚きを提供し話題性を生み出します。
2. 新規性が高い内容
新規性や独自性とは、何かが初めてであること、または他とは異なる独特の特徴を持つことを指します。
例えば、従来の製品にはない革新的な機能を持つ新製品を企業が発表した場合、その新規性と独自性が高く評価されメディアの注目を集めます。特に、製品の特徴を明確にし、競合との差別化ポイントを強調することで独自性が高まり、メディアに取り上げられる可能性が高まるでしょう。
3. 今話題のキーワードや季節性があるもの
時事性とは、社会で起こっている最新の出来事やニュースとの関連性、そして季節性とはその時期特有のイベント、季節に関連した話題性のある情報のことを指します。
時事性の要素は、なぜ今メディアがその情報を報じるべきなのかについて考えた時に、明確な理由となります。例えば、夏に向けた新しい冷感技術を用いた衣料品の発表や、年末年始に特化したサービスの紹介など、季節感に合った情報はその時期ならではのニュースバリューを持ちます。
番外編. おもしろいネタは売れるネタ
消費者が関心を持ちやすいユニークな企画やユーモアを含んだコンテンツは、メディアで取り上げられやすいです。
メディアの世界では、どのプレスリリースを使用するかは、新聞記者やテレビ番組のディレクターが決めることが多いです。セールスマンにとっての成功は商品が売れることですが、メディアにとっての成功は、視聴率が取れること、そしてその企画が世の中で話題になることです。
そのため、視聴率が取れそうなユニークな内容やSNSでバズりそうな面白い企画はメディアにとっても求めている情報と言えます。
プレスリリースのネタを探す方法
それでは次に、プレスリリースのネタ探しをどのように行えばいいのか、具体的な方法を紹介します。
社内の情報をキャッチアップする
まず初めにすべきこととして挙げられるのが、社会からの情報収集です。
企業内で起こっている変化や成果は、新しいプレスリリースのネタとして最も有効的です。新製品の開発、重要なプロジェクトの進展、人事異動など、さまざまな情報があります。社内情報を定期的に収集できるような仕組みづくりを行うと良いでしょう。
プレスリリース掲載サイトをチェックする
自社だけではなく、他の企業がどのような内容をプレスリリースしているかを知ることも役立ちます。
他社のプレスリリースがどのように掲載されているのかをチェックすることによって、自社のニュースがどの程度の新規性や関連性を持っているかを客観的に評価でき、プレスリリースの角度や内容を調整するための参考になります。また、類似のトピックに対するメディアの反応を把握することで、自社のプレスリリース戦略をより効果的に練ることが可能です。
新聞・テレビ・ウェブ・雑誌を毎日チェックする
日々のメディアの内容をチェックすることで、現在のニュースのトレンドや消費者の関心がどこにあるかを理解することができます。先ほどの章で紹介した「メディアがよく取り上げるネタ」の観点を身につけることにも繋がります。
SNSのトレンドをチェックする
ソーシャルメディアは、社会的な動きや公衆の関心事をリアルタイムで反映しています。
SNSのトレンドを追うことは、プレスリリースの内容を現代の関心事と連動させ、話題性を高めるために有効的な手段です。バイラルになる可能性のあるネタや、話題のハッシュタグに関連した内容は、特にメディアの注目を集めやすいです。
年間イベントや記念日(◯◯の日)を把握する
特定の日やイベントに関連したプレスリリースは、その日に合わせたニュースとして関心を引きやすく、メディアに取り上げられやすいです。
例えば、4月22日の「地球の日」に合わせて環境保護活動に関するプレスリリースを配信した場合、メディアとしてなぜ今このニュースを取り上げるべきかという時事性に沿った報道が期待できます。
Googleアラートをチェックする
Googleアラートは、指定したキーワードに関する最新のオンライン記事やブログポストを追跡し、メールで通知するサービスです。
これを利用することで、自社の事業に関連するトピックがオンラインでどのように議論されているかをリアルタイムで把握できます。話題になっている内容に関連した取り組みがあれば、話題性のあるネタとしてプレスリリースを配信することができるでしょう。
押さえておきたい定番ネタ20選をテーマ別に紹介!
次に、プレスリリースのネタとして取り上げやすい内容をテーマ別に紹介します。
経営と戦略
- 年次報告と業績発表
- 企業合併や買収
- 新しい投資や資金調達
- IPO(新規公開株)の発表
製品とサービス
- 新製品の発売・季節限定商品の紹介
- 製品のアップグレード
- 新サービスの提供開始
- 特許取得や技術革新
イベントとマーケティング
- セミナーやウェビナーの開催
- 展示会や体験会
- パートナーシップやスポンサーシップ
- 特別プロモーションやキャンペーン
社会貢献とCSR
- ボランティア活動や地域貢献
- 環境への取り組みやSDGs達成
- 寄付や基金設立の発表
- 教育支援やスカラーシッププログラム
人事と文化
- 重要な人事発表
- 社員研修プログラム
- 会社文化や働き方改革
- 会社の記念日
今のPRネタのトレンドは?掲載数上位のプレスリリース事例を紹介!
最後に、プレスリリース配信サービスのPV数上位に上がっているプレスリリースを紹介します。
成功事例からPRネタの活かし方も学んでいきましょう
ネタ①新店舗オープンの発表例
東京駅 東海道新幹線ホームに初となる 無人店舗「TOKYO BANANA express」がオープンするという内容のリリースです。
「新サービスの発表」をテーマにした新規制のあるネタと、「東京駅 東海道新幹線ホーム初!」というニュースバリューがうまくアピールされたプレスリリースです。
ネタ②新商品&キャンペーン発表例
ファミリーマートが新商品やコラボレーション商品を発売することを発表したプレスリリースです。
「新商品の発表」をテーマにした内容ですが、単に商品を発売することを知らせるだけではなく、新商品同士を対立させて話題性を生み出すストーリーが組み立てられています。
ネタ③周年記念企画・イベント例
世界思想社教学社が発行する大学入試の過去問題集“赤本”が、2024年に創刊70周年を迎えることに合わせて、デザインを一新することを発表したプレスリリースです。
今回のデザインがどのように決定されたのかを、赤本表紙の変遷や歴史と合わせてまとめられているプレスリリースが以下になります。
赤本の表紙が変わる!? 創刊70周年でデザインにこめた想い
このように、メディアで話題になっているプレスリリースも、先ほど紹介した定番のPRネタが活用されています。
しかしそのネタを単に文章としてまとめるのではなく、メディアの関心を引くようにプレスリリースが戦略的に作られていることから、メディアに多く取り上げられているのがわかります。
いわゆる「ニュースバリュー」が組み込まれています。
メディアバリューについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
参考:メディアに刺さるニュースバリュー:ニュースバリューの高め方を解説
よくある質問
最後に、プレスリリースのネタと合わせてよく受ける質問を紹介します。
プレスリリースには何を書くべきですか?
プレスリリースでは、そのニュースの「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「どのように」「なぜ」を明確に記述することが基本です。
最も重要な情報は冒頭に持ってきて、読者が興味を持つような新鮮で魅力的な内容を提供することが重要です。
プレスリリースにはどんな種類がありますか?
代表的なものには、イベントプレスリリース、製品発表プレスリリース、業績発表プレスリリース、企業買収プレスリリース、CSRプレスリリースなどがあります。
それぞれのプレスリリースは、その目的とターゲットメディアに合わせて内容が構成され、特定の情報を効果的に伝えるために使用されます。
プレスリリースを出す理由は何ですか?
プレスリリースを出す主な理由は、企業や団体の重要なニュースをメディアを通じて広く公表し、それによって企業の認知度を高め、製品やサービスのマーケティングを促進することです。
また、ステークホルダーや一般公衆との信頼関係を築くためにもプレスリリースは有効です。プレスリリースにより、企業の言葉でニュースを伝えてブランドイメージを向上させることができます。
まとめ:プレスリリースを配信することがゴールではない
プレスリリースを配信する際の最終目的は、単に情報を発信することではありません。
そもそもプレスリリースを配信して何をしたいのか。新サービスの認知度を高めて売り上げに繋げたいのか、企業のポジティブなブランドイメージを強化したいのか…。具体的なゴールに立ち返り、その目的を達成するためのPR戦略としてネタ探しを行なっていくことが重要です。
結局のところ、プレスリリースはコミュニケーション戦略の一環として機能し、企業の広報目標をサポートするための一つのツールです。そのため、単にプレスリリースを作成して配信するだけでなく、プレスリリースの配信方法やタイミング、配信後のメディア対応などを包括的なPR戦略が成功への鍵です。
しかし一方で、プレスリリースのネタ探しで精一杯という広報担当者の方も多くいらっしゃると思います。シェイプウィンでは、成功率9割以上のプレスリリース作成代行を行なっており、PRのネタ探しから実際のプレスリリース作成・配信、取材まで包括的にサポートしています。PRにお困りの方はぜひお気軽にお問合せください。