「プレスリリースを配信してみてとは言われたものの、何をすればいいのかわからない」という広報やPR担当者の方も多いのではないでしょうか。そのような時にまずすべきことは、プレスリリースの基本的なフローを押さえてることです。
この記事では広報やPR担当初心者の方に向けて、プレスリリース作成時に必須の5つのステップや、プレスリリース配信時のコツを解説します。
また、プレスリリース配信時によくあるミスや、誤送してしまった場合などトラブル発生時の緊急対応方法も記事の後半にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
プレスリリースの作成方法5STEP!
早速ですが、プレスリリースを作成するまでの5つのステップを紹介します。また、そもそもプレスリリースとは何か、基本的な知識を身につけたい方は以下の記事を参考にしてください。
参考:プレスリリースとは
①情報収集を行い、PRネタを決定する
まず初めに、プレスリリースを配信するPRネタを決定します。そのためには、社内のさまざまな部署から情報収集をしたり、経営層とコミュニケーションをとり、会社としてどのようなPRを推進していくべきかを話し合う必要があります。
そしてその情報は誰に届けたいのか、プレスリリースの配信が適切なPR方法なのかを検討します。以下は、基本的なPRネタです。自社に当てはまる案件があるかチェックしてみてください。
・新製品・新サービスの発表
・イベント開催の予告
・他社との業務提携、新会社設立
・季節性のあるトレンド情報
・社会貢献や地域活動
・調査結果の発表
②PR案件に合わせて配信先のメディアリストを作成する
次に、ターゲットとするメディアを選定・特性を洗い出し、配信先のリストを事前に準備します。メディアリストには、各メディアの正式名称、ジャンル、担当部署や担当者の連絡先をまとめると良いでしょう。
とはいうものの、数百社あるメディアをどのように選定すれば良いかわからない方も多いと思います。以下の記事では、プレスリリースの具体的な配信先やメディアの特性をまとめていますので、詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
関連:【2024年4月最新版】プレスリリース配信サービス10社を目的別に徹底比較!(機能・価格・特徴・無料版)
③プレスリリースを作成する
ここまでの準備を経て、プレスリリースの作成に入ります。誰が、いつ、どこで、何を、なぜ行ったのかという基本情報を明確に伝えることが重要で、読みやすく、簡潔かつ魅力的な文面を心がけましょう。
また、例えば新商品など視覚的にも訴求する必要がある情報の場合は、写真を使用した方が良いでしょう。特にテレビは、取材でどのような絵を取れるかイメージを持ちたい記者も多いので、内容や配信先メディアに合わせてプレスリリースを作成することが重要です。まずは、タイトルから本文までプレスリリースの書き方を1から学んでいくことをお勧めします。
④プレスリリースを配信する
作成したメディアリストに基づいて、適切なメディアに情報を配信します。配信のタイミングも重要で、最も影響力があると予想される時間帯を選びます。
また、プレスリリースは一度配信したらやり直すことができません。誤った情報を配信しないよう、配信前には以下の基本情報を再度チェックしましょう。
・各メディアの正式名称
・ジャンル
・部署名、役職、担当者名
・住所
・メールアドレス
・電話番号/FAX番号
⑤配信後の効果測定、取材対応に備える
配信後は、メディア露出の数やウェブサイトへの流入などを分析し、プレスリリースの効果を測定します。以下は基本的な効果測定の指標です。
・メディア露出数
・コンバージョン数
・ソーシャルメディアでの反応数
・ユーザーエンゲージメント数
また、メディアからの問い合わせが入る可能性があります。迅速に対応できるように準備しておきましょう。
関連:広報PRの『KPI』ってみんなどうしてる?
プレスリリースの精度を高める5つのコツ
基本的なプレスリリース作成のステップを踏まえた上で、次にプレスリリースの精度を高めるための5つのコツを紹介します。プレスリリースの質を向上させるために押さえておきたい重要なポイントです。
①配信前の校閲チェック:誤植は企業イメージダウンに繋がる
プレスリリースに誤植や誤情報が含まれていると、企業の信頼性やイメージに悪影響を与えかねません。「何度も見直したから大丈夫」と思っていても、何度も文章を書き直していると初歩的な誤字脱字にも気づかないものです。配信前には、複数の人で校閲を行い文面の誤りがないか徹底的にチェックしましょう。
以下は、プレスリリース配信時によくあるミスです。
・誤字脱字: 誤った文字の使用や、必要な文字が抜けている
・日付の誤り: イベントの日付や製品発売日など、重要な日付情報の間違い
・連絡先情報の誤記: メールアドレスや電話番号などの連絡先情報に誤りがある
・社名や製品名の綴り間違い: 企業のブランド名や製品名のスペルミス
・数字や統計データの誤り: 売上数字、市場データなどの統計情報の誤記
②表現内容が適切か確認する:誤解を生む内容になっていないか確認する
プレスリリースの内容が誤解を生まないよう、明確かつ適切な表現を使用することが重要です。また、専門用語が多用されている場合は、一般の読者にも理解しやすい言葉に置き換えることを心がけましょう。
③マーケティングツールと連携する:SNSやWEBサイトと連携する
SNSや企業のWEBサイトといった他のマーケティングツールと連携することが有効です。これにより、情報の一貫性を保ちつつ、より多くの人にリーチすることができます。
そのままニュースリリースを貼り付けるのではなく、インスタグラムやFacebookなどソーシャルメディアの特性に合わせた文章を作ることもコツの一つです。
④リークを使う:企業の一大ニュースを確実に掲載する
重大な企業ニュースや製品発表を報道機関に「リーク」することで、確実に掲載されるよう働きかけることができます。この戦略は、メディアに対する興味を引き、ニュース価値を高めることに役立ちます。
リーク:
公式発表前に情報を一部のメディアのみに公開する戦略です。リークは、注目度を高め、発表イベントや製品発売などの公式発表時により大きな注目を集めるための手法として効果的です。
しかし、この手法は情報の扱い方やタイミングを誤ると信頼性の低下につながるリスクもあるため、慎重な計画と実行が求められます。
⑤目的別にプレスリリースの書き方を変える:ターゲットにしているメディアに合わせる
プレスリリースを作成する際、目的に応じて内容や書き方を調整し、メディアの特性を考慮することが重要です。
例えば、一般消費者向けの情報と業界専門家向けの情報では、用いる専門用語のレベルや情報の詳細度が異なります。また、ビジネス関連のニュースを経済メディアに送る場合は、市場への影響や経済的な見地からの分析を加えることが望ましいでしょう。
こんな時どうする?トラブル発生時の対応
初めてプレスリリースを作成、配信する方にトラブルはつきものです。あらかじめ対応方法を学び、緊急時にすぐ対応ができる体制づくりが重要です。
配信内容にミスがあった場合
万が一、配信したプレスリリースに誤りがあることが判明した場合は、速やかに訂正リリースを配信することが最善の対処法です。
訂正リリースでは、誤った情報と正しい情報を明確にし、配信先に対して混乱を招いたことへの謝罪を表明することが重要です。この際、訂正が必要となった理由の説明は簡潔に留め、焦点を正確な情報の提供に絞りましょう。
配信先を誤ってしまった場合
配信先のリストを誤って選択してしまったり、不適切なメディアに情報を送ってしまった場合は、配信したメディア各所へ速やかに連絡を取り、誤配信の旨を説明し謝罪することが必要です。
このような場合、誠実な対応が信頼回復につながります。また、再発防止のために配信リストの確認作業を見直すなど、内部プロセスの改善を図りましょう。特に数年前に作成したリストを使いまわしている場合は注意が必要です。
記者からの問い合わせに対応できない場合
プレスリリース配信後、記者からの問い合わせに即時に対応できない場合があります。このような状況を避けるためには、リリース配信前に予想される質問に対する回答をまとめたQAリストを作成し、部内で共有しておくことが有効です。
担当者が不在の際には基本情報を誰でも回答できるようにするなど、事前の準備と体制整備が重要です。不測の事態にも迅速かつ適切に対応できるよう、社内の連携を強化しましょう。
プレスリリースのやり方に関するよくある質問
最後に、プレスリリースのやり方に関するよくある質問への回答を紹介します。
プレスリリース代行にかかる費用は?
プレスリリースの代行サービスの費用は、サービス提供者やプレスリリースの内容、配信範囲によって大きく異なります。
基本的なプレスリリースの作成と配信だけであれば、数万円から可能な場合もありますが、広範囲にわたる配信や特別な配信手法を求める場合は、費用は数十万円以上になることもあります。正確な見積もりは、具体的な要望をPR代行会社に相談してください。
プレスリリースを効果的にするにはどうしたらいいですか?
プレスリリースを効果的にするためには、次のポイントが重要です。
・メディアに響くニュースバリューを意識する
・配信タイミングを工夫する
・メディアリレーションズを大切にする
・SNSやオウンドメディアで情報発信する
・プロのPRエージェンシーに依頼する
プレスリリースはどのくらい前に見ておくべき?
プレスリリースのタイミングは、目的や内容によって異なります。
新製品や新サービスの発表の場合は発売日の1カ月前から準備を始めるのが理想的です。イベント開催の告知は1カ月から半年前、記者会見などメディアを誘致する場合は1〜2カ月前に配信することを推奨します。早めに配信することで、メディアの取材スケジュールに組み込んでもらいやすくなります。
プレスリリースの作成手順は?
基本的には、この記事で紹介したフローに従う形で問題ないと思いますが、具体的なプレスリリースの文章の作り方を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連:プレスリリースの書き方
まとめ:安易にメディアへ情報をばら撒くのもNG!
ここまでで基本的なプレスリリース配信のやり方について紹介してきましたが、「せっかくプレスリリースを作ったので、とにかく多くのメディアに送りたい!」といった行為も厳禁です。
全く関係のないメディアにそのような情報が届いた場合、記者から「この会社からは有益な情報を得られない」と認識されてしまうでしょう。メディアの特性を理解し、それに合わせて戦略を練ることで、プレスリリースの効果は飛躍的に向上します。このように、プレスリリースの配信には準備はもちろんのこと、配信先の選定、そして配信後まで含め計画的な戦略とノウハウが肝となります。
一方でノウハウや経験がない場合、これらを初めから網羅するのは難しいでしょう。そのような方は、シェイプウィンで無料相談も行っていますので、不安がある方はまずは一度ご相談ください。