「プレスリリースを何本も配信しているのに効果がでない」「本当にプレスリリースを配信する意味があるの?」という相談を受けることがよくあります。しかし実際にプレスリリースの配信によって、これまで複数主要メディアに取り上げられ、企業の売り上げや株価が増加するなど数多くの効果があげられました。
ではなぜ、あなたのプレスリリースに効果を感じられないのか?それはもしかしたら、プレスリリースの効果を上げるためのコツ、そして配信後の効果測定方法を知らないからかもしれません。
この記事では、プレスリリース配信の効果を最大化するためのコツと競合と差をつけるための観点を解説します。記事の後半には、シェイプウィンのプロの現役ライターがプレスリリースを代行した際の事例も紹介していますので、自社のPRにあったやり方に合わせてみてください。
プレスリリース配信前に知っておくべき基本情報
プレスリリースは、ニュース価値のある情報を報道機関に向けて発表する公式文書です。
企業や組織が新製品の発売、イベントの開催、重要な業績情報など、公共の関心を呼ぶ事柄を公式にアナウンスする際に利用されます。この手法は、情報を正確かつ迅速に大衆や特定のステークホルダーに届けることができるため、広報活動の基本として広く用いられています。
プレスリリースを配信する目的や効果について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
関連:プレスリリースとは
プレスリリース配信で得られる効果7つ
プレスリリース配信は、企業や製品の情報を幅広く伝達し、認知度の向上やイメージ形成に貢献します。特に新製品発表や重要な企業活動、イベントの告知に有効で、次のような利点があります。
・ステークホルダーに直接メッセージを届けられる
↓
・取材依頼が来る
↓
<相乗効果>
・社会から認知度・信頼性を得られる
・投資家からの評価が高まる
・優秀な人材確保や協業につながる
・マーケティング活動とも連携できる
・売り上げ増加に繋がる
ここから詳しく紹介していきます。
①ステークホルダーに直接メッセージを届けられる
企業はプレスリリースを通じて、自社の言葉で直接ステークホルダーにメッセージを伝えることができます。これにより、企業の最新情報、戦略的方向性、または重要な変更点などを正確に、迅速に共有することができます。
このような直接的なコミュニケーションは、企業とステークホルダーの良好なコミュニケーションを生みます。
②メディアから取材依頼を受けられる
配信されたリリースが記者や編集者の目に留まり興味を引く内容であれば、メディアから取材依頼を受ける可能性が高まります。これは企業にとって大きな社会への露出機会となり、ブランド認知の向上や信頼性の構築に寄与します。
③社会から認知度・信頼性を得られる
プレスリリースの配信は、社会における企業や製品の認知度と信頼性を高める効果的な手段です。その理由は、広告と異なりメディアの目線から情報を発信しているからです。メディアに取り上げられることで、情報の信頼性が増し、ブランドイメージが向上します。
④優秀な人材確保や協業・支援にもつながる
先ほどの社会からの認知度・信頼性を得ることと関連して、プレスリリースの配信を通じて企業の認知度が高まり、優秀な人材獲得や、新たなビジネスパートナーとの協業や投資家からの支援に繋げることができます。
主要メディアに取り上げられた場合、「今朝の〇〇新聞の掲載を見たのですが」という問い合わせは少なくありません。そのような問い合わせから、新たなビジネスや採用につながることもあるでしょう。
⑤マーケティング活動とも連携できる
メディアに掲載された内容は、SNSや企業ウェブサイトなど、さまざまな媒体で再利用され、拡散されていく可能性が高いです。
これらのメリットを踏まえてマーケティング活動と連携させることで、相乗効果を生み出すことができます。プレスリリースが単なる情報伝達の手段ではなく、企業成長のための戦略的ツールであることがわかります。
⑥投資家からの評価が高まる
投資家はメディアの報道を通じて企業の活動や成長可能性を示し、投資の判断材料となります。多くのメディアにポジティブな内容で掲載されることで、企業の信頼性と透明性が高まり評価を獲得しやすくなります。
投資家の影響は企業にとって非常に大きいものですので、しっかりと押さえておくべきポイントと言えるでしょう。
⑦売り上げ増加に繋がる
プレスリリースがメディアに取り上げらることによって企業や製品の認知度が向上し、商品の売上増加に繋がる可能性があります。事前にペルソナを立ててターゲット市場にあったメディアに取り上げられるようプレスリリースを打つことで、その効果を高めることができます。
具体的なプレスリリースの効果測定方法6選
プレスリリース配信がどのような効果をもたらしたのか、配信後に行っておくべき効果測定方法を紹介します。配信前に事前に準備を行い、それぞれの項目に沿って効果測定を行うことをお勧めします。
・メディア掲載数
・メディア掲載のスコアリング
・広告換算値
・SNS上の反応
・ウェブサイトアクセス数
・問い合わせ件数
①メディア掲載数
プレスリリースの効果を測定する基本的な方法の一つが、メディア掲載数の計算です。メディア掲載には主に掲載と転載の2種類あります。
「掲載」は、あるメディアが初めてそのプレスリリースの内容を取り上げることを指します。一方で「転載」は、別のメディアが既に掲載された内容を再び取り上げることを意味します。
掲載数・転載数をそれぞれ分けて正確に把握することで、プレスリリースの到達範囲や影響力を測定でき、リリースの効果を理解することができます。
②メディア掲載のスコアリング
プレスリリースの内容がどのようにメディアに取り上げられたかを数値化する「スコアリングシステム」は、効果測定の精緻な方法です。複数の基準に基づいて総合的に点数を付けることにより、プレスリリースの質的な効果を把握することができます。
③広告換算値
メディアに掲載された記事が、もし広告として購入していた場合にいくらかかるかを算出する「広告換算値」も重要な効果測定の指標です。掲載された記事のサイズや掲載時間、メディアの広告料金に基づき計算され、プレスリリースによるメディア露出がどれだけの価値を持つかを金銭的に評価することができます。
④SNS上の反応
プレスリリースの内容がSNSでどのように受け取られ共有されているかを分析することも、効果測定の一環です。いいね数、シェア数、コメントの内容など、SNS上のユーザー反応を詳細に分析することで、プレスリリースの社会的影響力を測定することが可能です。
⑤ウェブサイトアクセス数
プレスリリース配信後に企業ウェブサイトのアクセス数がどのように変化したかを追跡することで、メディア掲載の直接的な影響を測定することができます。
訪問者数の増加や滞在時間の延長など、ウェブサイトへのトラフィック変化を分析し、プレスリリースの効果を評価します。
⑥問い合わせ件数
プレスリリース配信後に企業への問い合わせ件数がどのように変化したかを確認することも、その効果を測る重要な指標です。
ある程度複数の部署がある場合は、プレスリリース配信もとの広報以外に問い合わせが来ていることも多いので、正確な効果測定のために社内共有を心がけることが重要です。
競合と差をつける、効果を最大化するための4つのコツ
ここからは、さらにプレスリリースの効果を最大化するためのちょっとしたコツを紹介します。他社と少しの差を作ることで、長期的な目線を持った時に効果に大きな違いが生まれるでしょう。
①メディアフック・ニュースバリューを意識する
効果的なプレスリリース配信のためには、メディアや読者が関心を持つようなニュース価値やフックを見つけることが重要です。
これは、単に新製品の発表やイベントの告知だけではなく、その背景にあるストーリーや社会的な影響、独自性など、メディアが取り上げたいと感じる「ニュースバリュー」を指します。
②3秒で認識できるタイトルをつける
メディアは1日に何百枚ものプレスリリースを受信します。その中で記者の目を留めるために、プレスリリースのタイトルは、読者が内容を瞬時に理解できるよう明確かつ魅力的である必要があります。
タイトルには主要なポイントやニュースバリューを凝縮して、短くてインパクトのある表現を使用するように、プレスリリースの書き方を意識してみてください。
③配信に最適なタイミングを選ぶ
プレスリリースの配信タイミングも、その効果を左右する重要な要素です。ニュースの緊急性、業界のイベントスケジュール、ターゲットメディアの編集カレンダーなど、さまざまな要因を考慮して、情報が最も注目されるタイミングを狙ってください。
また、週末や祝日、重要なニュースイベントが予定されている時期は避けるなど、メディアの受け入れ体制も踏まえた配信計画が必要です。
④取材依頼や問い合わせに対応できる体制を整えておく
プレスリリース配信後、メディアからの取材依頼や読者からの問い合わせが発生する可能性があります。迅速かつ適切に対応するためには、事前に体制を整えておくことが重要です。
担当者の連絡先を明記し、問い合わせに対応できるスタッフを確保するなど、スムーズなコミュニケーションのための準備をし、メディアリレーションズを最大限に発揮しましょう。
メディア別のアプローチ方法でさらに効果を高める
二つ目のコツは、掲載を狙いたいメディアの特性を踏まえてプレスリリースを配信すること。メディアとひとくくりに言ってもそれぞれの特性は大きく異なります。
新聞社:締切と時事性の理解
新聞社へのアプローチでは、締切と時事性の重要性を理解しておくことが不可欠です。
新聞は毎日発行されるため、情報の鮮度が非常に大切です。プレスリリースは、具体的なデータや事実に基づく内容を盛り込み、可能であればその社会的影響や読者にとっての意義を明確に示すことが重要です。また、記者の締め切りに合わせて情報を提供することで、記事掲載の可能性を高めます。
テレビ局:ビジュアルコンテンツの理解
テレビ局へのアプローチでは、ビジュアルコンテンツの重要性が増します。
視聴者の関心を引くためには、映像や写真などのビジュアル要素を用いたストーリーテリングが効果的です。また、テレビ局のニュースや番組は、特定の時間帯に放送されるため、そのスケジュールに合わせたタイミングで情報を提供することが望ましいです。
プレスリリースでは、放送に適した視覚的な素材を準備し、どのように視聴者の興味を引くかを考えてアプローチしましょう。
WEB:SEOと読者層の理解
WEBメディアにアプローチする際は、検索エンジン最適化(SEO)と読者層を考慮することが大切です。キーワード選定やリンクの挿入など、検索結果で上位に表示されるようなコンテンツを意識してプレスリリースを作成します。
また、WEBメディアは更新頻度が高く、ターゲットとする読者層が明確な場合が多いため、そのニーズに合わせた内容でアプローチすることが重要です。読者の興味を引くために、話題性や独自性を前面に出し、具体的な情報やデータを提供しましょう。
雑誌媒体:読者と媒体特性の理解
雑誌媒体へのアプローチでは、ターゲット読者と雑誌の特色を深く理解することが求められます。雑誌は特定の趣味や興味に特化していることが多いため、その雑誌が取り扱うテーマやトレンドに合った情報を提供することが効果的です。
また、雑誌は編集スケジュールが数ヶ月先まで決まっている場合が多いので、早めにコンタクトを取り、特集の計画やテーマに合わせた情報を提供すると良いでしょう。雑誌特有の深い記事や特集を意識したアプローチで、読者の関心を引く情報を提供します。
プレスリリース配信サービスの代表的な3つのメディアを知っておくことも重要になってきます。
プレスリリース配信前に知っておくべき注意点
プレスリリースの配信は企業の情報を広める重要な手段ですが、配信前にいくつか注意点を把握しておく必要があります。
プレスリリース配信による全ての項目を効果測定できるわけではない
プレスリリースの効果を正確に測定することは常に可能ではありません。
メディア掲載数やウェブサイトの訪問数などの量的指標は計測可能ですが、ブランドイメージの向上や認知度の増加といった質的な影響は直接的に数値化することが難しいです。
効果測定のためには、目的に応じた適切な指標を選定し、総合的な視点で分析する必要があります。
最も効果がある発信頻度は分からない
プレスリリースの最適な配信頻度は一概には言えません。頻繁に配信しすぎると情報過多となり、受け手に無視される可能性があります。
逆に、配信頻度が低すぎると、企業の活動が停滞しているとの印象を与えかねません。目的とターゲットオーディエンスに基づき、適切な配信頻度を見極めることが大切です。
誤送は企業イメージを下げる
プレスリリースの内容に誤りがあると、企業の信頼性やプロフェッショナリズムが疑われ、企業イメージを大きく損ねることになります。
配信前には必ず複数の目でチェックを行い、誤字脱字や誤情報がないかを徹底して確認しましょう。また、配信先の選定ミスによる誤送も同様に悪影響を及ぼすため、配信リストの精査も怠らないようにします。
プレスリリースの配信は、戦略的に計画し、慎重に実行することが求められます。効果的な配信を実現するためには、上述したポイントを念頭に置き、綿密な準備と適切なフォローアップを心掛けることが重要です。
【実例・体験談】プレスリリースの効果・成功例3選
ここまでプレスリリースの効果について説明してきましたが、リアルなPR現場ではどのような効果につながるのか?実例を紹介します。
メディア発表会で40社以上のメディア、300名以上の来場者を誘致
業界振興団体「日本サブスクリプションビジネス振興会」は、2019年の設立時にメディア発表会を行おうと思っていたものの、メディアとの繋がりがなくメディアアプローチに課題がありました。
PR依頼を受けたシェイプウィンでは、広報PR施策として、メディア発表会(プレス発表会、記者発表会)というメディアを招集して一堂に発表するPR手法を実施。40以上のメディアが出席し、大手ビジネスメディアをはじめとした多数のメディアでの露出に成功しました。
プレスリリースとイベントを戦略的に組み合わせることで、メディアに露出だけでなくクライアントが潜在的ニーズとして求めていた”新規入会促進”にも大きく寄与しました。
関連:日本初のサブスク団体設立が成功した秘訣は記者発表会での広報PR事例
適切な株主へのアプローチで、2度のストップ高、半年後には株価2倍に
ある材料メーカーでは、プライム市場へ参入している一方、株主を含めたステークホルダーを意識した社外PRに課題感を抱いていました。
そこでシェイプウィンでは、経済の基礎的条件に沿ったネタを社内から情報収集し、株主の観点を意識したプレスリリースの配信およびパブリックリレーションズを実施。結果として、2度のストップ高を獲得、半年後には株価を2倍に引き上げるという成果を達成しました。
この例から、適切なプレスリリース戦略とメディア対応は、単なる掲載数の増加だけではなく株価など企業価値向上に直結することがわかります。
たった3ヵ月で、日経新聞など大手メディア5社以上の掲載
自動車向けの物体認識AIソフトウェアを開発する韓国AIスタートアップのStradVision, Inc.(以下、ストラドビジョン)は、自動車産業で重要な位置にある日本市場での認知獲得や営業活動の支援のための、広報PR活動に課題を感じていました。
そこでシェイプウィンでは、ストラドビジョンが持つディープラーニングやSoCへの最適化技術の優位性を的確にまとめたプレスリリースをもとにメディアアプローチを実施。大手メディアである日本経済新聞やテックメディアのTechCrunch Japanをはじめ、さまざまな媒体でのメディア露出を獲得し、結果3ヵ月で日経新聞など大手メディアで5社以上掲載することに成功しました。
このように海外へのアプローチは大きなハードルを感じるものの、効果的なプレスリリースを打ち出すことで、海外のメディアへの露出にも繋げることができます。
関連:韓国AIスタートアップを日経新聞など大手メディアで3ヵ月で5社以上露出した広報PR術
プレスリリースの効果と合わせてよくある質問
最後に、プレスリリースの効果と合わせてよく受ける質問を紹介します。
プレスリリースを出すメリットは?
プレスリリースを出す最大のメリットは、企業や製品、サービスの認知度を高め、ポジティブなイメージを構築することができる点です。
さらに、新製品の発表やイベントの告知など、企業の重要なニュースを効率的に広範囲に伝えることが可能です。また、メディアに取り上げられることで信頼性が増し、SEO対策にも効果的です。
プレスリリースは誰向けですか?
プレスリリースは、基本的にはメディア関係者、つまりジャーナリストや編集者を主なターゲットとしています。しかし、インターネットの普及により、消費者や投資家、ビジネスパートナーなど、幅広いステークホルダーに直接情報を届けることも可能になりました。
そのため、メッセージの内容や目的に応じて、対象とするオーディエンスを選定することが重要です。
プレスリリースはどのくらい前に見ておくべき?
プレスリリースの配信は、イベントや製品発売などのタイミングに合わせて計画する必要があります。一般的には、イベント開催の1~2ヶ月前、製品発売の数週間前には配信するのが理想的です。
メディアが記事を作成し、読者に情報が届くまでの時間を考慮して、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。
プレスリリースはいつ出せばいいですか?
プレスリリースの配信タイミングは、その内容によって大きく異なります。新製品の発表やイベントの告知など、タイムリーな情報はできるだけ早く発信することが望ましいです。
しかし、特定のイベントに結びつかない企業のアップデートや業績報告などは、メディアのニュースサイクルや他のニュースイベントとの競合を避けるため、慎重にタイミングを選ぶ必要があります。
まとめ:配信サービスの使い方を知っているだけではだめ
プレスリリースを配信すると言っても、プレスリリースのやり方を知っている、書き方を知っている、配信サービスの使い方を知っているだけでは効果は生まれません。
プレスリリースを配信する前の準備から執筆、ターゲットに合わせた配信、配信後のメディアアプローチと測定効果など、それぞれのプロセスを一つ一つ丁寧に行う必要があります。
しかし、企業に広報担当は限られておりそれらを網羅するのが難しいという状況も数多く相談を受けます。シェイプウィンでは、プロの現役ライターがメディア目線でプレスリリースを執筆し、配信サービスではリーチできない配信先にアプローチをする、プレスリリース代行サービスも行っています。お気軽にご相談ください。