「プレスリリースを作成・配信しても意味がない」と感じたことがありますか?
いくらプレスリリースの作成に時間をかけてやっとの思いで配信しても、なかなか成果が出ないのは理由があります。少しのコツを学ぶことで、意味のあるプレスリリース=記者がニュースにしたい、と感じるプレスリリースに変えることができるでしょう。
また、日々時間に追われるメディアにとって、意味のないプレスリリースに時間を割くのは避けたいことであり、時にメディアとの関係性にも影響を与えてしまうことがあります。
今回は、広報・PR初心者がやりがちな、意味のないプレスリリースの事例とメディアが求めるプレスリリースにするための作成ポイント、配信方法まで詳しく紹介します。
本記事の内容
シェイプウィンではPR成功率9割以上のプレスリリース作成代行を行なっています。プレスリリースにお悩みの方は一度ご確認ください。
①伝えたい情報のみ盛り込まれているプレスリリース
プレスリリースは、企業からの重要なお知らせを公式に発表するためのものですが、企業が伝えたい情報のみが含まれていると、そのリリースは報道価値がないと見なされることがあります。
新商品のスペックにフォーカスしすぎている
新商品発表のプレスリリースで、製品の技術的詳細やスペックばかりが強調されがちなケースがあります。例えば、新型スマートフォンのプロセッサ速度やメモリ容量を詳細に記載し、消費者がどのようにその機能を利用できるかについての説明が不足することがあります。
例文: 「当社の最新スマートフォンは、画面解像度が前モデルから20%向上し、バッテリー寿命も30%延長されました。」
会社の想いや歴史ばかり盛り込まれている
企業の歴史や創業者の想いを詳細に述べたプレスリリースも見受けられますが、これらの情報がメディアや読者にとってどれだけ価値があるかは別問題です。たとえば、企業の創業理念や社会への貢献に焦点を当て過ぎて、新製品の利用者が得られる具体的なメリットが伝わらない場合があります。
例文: 「私たちの企業は、100年以上にわたり革新的な製品を提供し続けてきました。今回の新製品も、長年の研究と情熱の結晶です。」
②ご案内レベルでニュースの価値がないプレスリリース
ニュースとしての価値がないプレスリリースは、報道機関によって取り上げられにくいです。これには、企業の夏季休暇や年末年始の休業案内、店舗の移転、人事異動など、公衆にとって直接的な関心事ではない内容が挙げられます。
夏季休暇・年末年始休暇のご案内
休暇や営業時間変更に関するプレスリリースは、一般的な顧客サービスの案内としては適切ですが、報道価値はほとんどありません。会社のWEBサイトやSNSでの情報発信で十分と言えるでしょう。
例文: 「当社は夏季休暇のため8月10日から15日まで休業いたします」
店舗移転のご案内
店舗の移転に関する情報もプレスリリースでしばしば見かけますが、その情報が広く一般にとって重要なニュースとはなりにくいです。特に企業規模が小さく、地域に限定された影響のみの場合はほとんどニュースにならないと考えて良いでしょう。
例文: 「この度、より皆様に快適にお買い物をお楽しみいただけるよう、店舗を市内の新しいロケーションへ移転いたします。」
人事情報のご案内
人事異動に関する情報も、企業の内部事情に関心がある特定の関係者には有益かもしれませんが、一般のニュースとしては取り上げられにくい内容です。
例文: 「弊社は、新たなマーケティング戦略を推進するため、〇〇を新たな〇〇に任命いたしました。」
プレスリリースを作成する際は、その情報が公衆やメディアにとっての価値や関心事であるかを慎重に検討し、報道機関が取り上げやすい内容であることを意識することが重要です。
③配信タイミングを逃しているプレスリリース
プレスリリースの価値は、そのタイムリーさにあります。新しい情報を迅速に届けることはメディアの主要な役割であり、古いニュースや不明瞭な内容ではメディアにとってニュースバリューを失った情報です。
「●月●日に発売しました」
過去形で発表されるプレスリリースは、その時点で既にニュースの鮮度、つまり「新規性」を失っています。例えば、「新製品が先週末に発売されました」といった情報は、消費者やメディアにとって新鮮味がなく、関心を引きにくいです。
例文: 「弊社の最新スマートフォンが先月末に発売されました。」
ウェブサイトやSNSで既に情報配信をしていた
ウェブサイトやSNSを通じて事前に情報が流れてしまっている場合、プレスリリースを配信する意味が薄れます。例えば、製品発表会のライブ配信を行った後に、同じ内容のプレスリリースを出すと、新規性がなくメディアの注目を集めにくいです。
例文: 「弊社の新サービスに関する詳細は、先週の公式Twitterアカウントで発表しました
④体裁が整っていないプレスリリース
プレスリリースの成否は、その内容だけでなく、いかにその情報を伝えるかにも左右されます。タイトルが読者の興味を引かず、必要な情報が不足していたり、レイアウトが乱雑で読みにくい場合、たとえ内容が価値ある情報であっても、その重要性を見過ごされがちです。
プレスリリースのタイトルが魅力的ではない
メディアには、毎日数百件のニュースリリースが届きます。タイトルが平凡であったり、パッと見た時に大枠の内容が把握できないプレスリリースは、記者に読まれることなく見過ごされる可能性が高いといえるでしょう。
例文: 「当社からの重要なお知らせ」
記者が知りたい情報が入っていない
プレスリリースには、読者が知りたいと思う基本情報(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ)が含まれている必要があります。例えば、新サービスの提供開始日や利用対象者、サービスの特徴などが不足していると記事として取り上げられにくくなります。
例文: 「私たちのサービスは、より良い顧客体験を提供します」
レイアウトが整っていない
適切な長さや見やすいフォーマットでないプレスリリースは、記者から好まれません。毎日多くのプレスリリースを目にする記者にとって、情報が探しやすく一目で内容が把握できるレイアウトであることは非常に重要です。場合によっては写真なども活用すると良いでしょう。
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⑤不特定多数のメディアに配信しているプレスリリース
プレスリリースの配信において、ターゲットとするメディアの選定は非常に重要です。適切なメディアに正確に情報を届けることで、そのニュース価値が高まり取り上げられる確率も向上しますが、一方でその理解がないとメディアから嫌われてしまう可能性もあります。
メディア特性を理解していない
プレスリリースを適切なメディアに配信することが重要ですが、メディアの特性を理解せずに一斉送信してしまうケースがよくあります。例えば、技術専門のニュースサイトにライフスタイル関連の商品情報を送るなど、ターゲットとするメディアの興味・関心と合致していない内容を配信することです。
例: 一般消費者向け「新開発のキッチン用品」に関する情報を、IT技術の最新トレンドを扱うウェブサイトに配信
異なる担当部署に送っている
メディアによっては複数の部署が存在し、それぞれ異なるジャンルの情報を扱っています。しかし、関連性のない部署にプレスリリースを送付してしまうケースがあります。例えば、スポーツ関連のニュースリリースを経済部門に送るなど、適切な担当者に情報が届かないため、取り上げられる機会を逃してしまいます。
<参考:新聞社一般的な部門>※会社によって異なります
・政治部: 国内外の政治動向、選挙、政策など政治関連
・経済部: 経済動向、株式市場、企業の財務情報、産業トレンドなど経済関連
・社会部: 社会問題、犯罪、裁判、災害、事件など社会全般
・国際部: 世界ニュース、国際関係、外国の政治・経済
・文化・芸能部: 文化、アート、音楽、映画、テレビ、芸能人動向など文化・エンターテインメント
・スポーツ部: 国内外スポーツニュース、大会結果、選手
・科学・医療部: 科学技術進歩、宇宙、環境問題、医療健康
・ライフスタイル部: 生活情報、旅行、グルメ、ファッション、健康、趣味など日常生活関連
・編集部: 記事の編集、構成、校正行い、出版物やウェブサイト
・デジタル・IT部: 最新IT技術、インターネット関連ニュース、デジタルトレンド特化
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まとめ:「プレスリリースは意味がない」というのは誤解
広報担当者であれば、例えば社内報を書く時をイメージし、自身が記者として情報発信する場合にどのような情報が欲しいか、興味を持つのかを想定すると、自然と記者が求めるプレスリリースに近づくかもしれません。
また、すでにリレーションのあるメディアから作成したプレスリリースのフィードバックを受けるのも一つの手段です。しかしまだメディアとの深いリレーションがない方や経験の浅い方は、まずはPRの経験がある会社に作成を依頼しそのノウハウを学んでいくのも良いでしょう。
シェイプウィンでは、プレスリリースを受け取る立場であるメディア側のライターの視点でプレスリリースを作成代行しています。プレスリリースについてお悩みがある方は、ぜひお気軽にお問合せください。