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【実践!シリコンバレーPR】アポなしでメディアキャラバンできるのか?

Media Tour in San Francisco

ITスタートアップが集中するシリコンバレーには、当然IT・Tech系メディアも集中しています。TechCrunchやGizmodoなどは日本でも有名なメディアです。それだけでなく、スタートアップを取り上げるオンラインメディアは、他にもたくさんあります。どんな媒体があるのか、現地のメディアはどんなことを考えているのかなど知りたいと思い、現地のTech系メディアにアポなしで突撃訪問して記者とつながれるのか試してみました。

東京では、メディアキャラバンと呼ばれる手法で媒体社を訪問し記者に直接売り込むというPR手法があります。シリコンバレーのPR会社も同じくメディアキャラバンをサービスとして提供しています。

通常のメディアキャラバンでは、事前にアポを取って各社を訪問することが多いのですが、こちらのメディアに対しては全くコネがないため、直接オフィスに飛び込んでみました。今回は、サンフランシスコにオフィスを置くGizmodo、TechCrunch、VentureBeat、THE VERGEに訪問しました。

Gizmodo・Lifehacker(Gawaker社)

Gizmodoオフィス
Gawaker社ではないですが撮影

HP:https://www.gawker.com/
住所:330 Townsend St San Francisco, CA

Gizmodoといえばガジェット系でとても有名な媒体です。

カルトレインのサンフランシスコ駅から歩いてすぐの所にあります。実際に行ってみましたが、Gawker社が入っている様子はなく、ビル内の人に聞いても「I don’t know」だったのでGizmodo、Lifehackerは空振りです。

TechCrunch本社

TechCrunch本社オフィス

HP : http://techcrunch.com/
住所 : 410 Townsend Street, San Francisco, CA

スタートアップと投資家を結びつけるTechCrunchは日本ではとても有名です。TechCrunchに取り上げてもらうことで投資家やVCから注目されスケールできるくらいスタートアップにとっては重要な媒体です。

こちらも当然アポなしで行ったところ、編集担当のアンドリューさんに取り次いでもらえました。アンドリューさんの話しによると、記者(ライター)のほとんどはこのオフィスで働いていなく、ほとんどがリモートワークで取材や記事を書いているとのことでした。

いろいろ質問したかったのですが、日本のTechCrunchに聞いてくれと追い返されました。粘ってどこに行ったら記者と会えるのかを聞くと、渋々TechCrunchのイベントページに載っているイベントに行ってもらえれば会えると思うよという当たり前な回答が帰ってきました。

TechCrunchの猿像の前で記念撮影
アンドリューさんおすすめのモンキーの像で記念撮影

もう一つ何度か連絡先交換をしようと粘りましたが、メールアドレスもLinkedinのIDもゲットできませんでした。アメリカでは、日本のように名刺交換をとりあえずするという文化がないので、相手に有益であると思ってもらうようにプレゼンしないと連絡先も交換できません。しょっぱい結果となりましたが、とりあえずオフィス写真とこの事実の掲載許可はもらうことができました。

VentureBeat社

VentureBeatのジョーダン記者

HP:http://venturebeat.com/
住所:22 Battery St, San Francisco, CA

VentureBeatは、シリコンバレーでは有名なTech系メディアです。1100万PVくらいあり、イベント情報やリサーチのニュース、Techイノベーションなどを取り上げています。

サンフランシスコ駅からは歩くと20分くらいの所ですが、マーケットストリートというサンフランシスコの経済のど真ん中にオフィスを構えています。オフィスを入ってすぐのところに座っていた営業の方にお願いをしたところ、今回は記者の方を紹介してもらえました。

対応してくれたのは、ビッグデータやエンタープライズのクラウドサービスなどの執筆を担当しているジョーダンさんです。VentureBeatのことや関心事、PRパーソンに対して求めることなどを聞いてみました。

ジョーダンさんは毎日3つの記事を書いているそうです。スタートアップやPR会社から毎日300通もの売り込みメールが来るのでよい情報をピックアップするのが大変だと言っていました。日本の記者も一緒ですね。リサーチしたデータや背景をつけて送ってきてくれると取り上げやすい。また、競合比較などをして公平な情報としてもらえるといいですねと話していました。

VentureBeatのイベント部門
イベント部門

つづいて、オフィスを案内してもらいました。VentureBeatはオフィスに50人くらいが勤めていますが、記者の多くはリモートワークで記事を書いているそうです。営業部、編集部、システム部、イベント部と分かれていました。中でもイベント部は収益源としては重要だとのことで、イベントの企画はこれからもおもしろくしていきたいとのことでした。

VentureBeatは、3ヵ月以内にアジア版のリリースを予定しているそうです。ただ、日本語や中国語などの多言語展開は予定していないそうです。ジョーダンさんの日本のスタートアップについての興味は残念ながらないそうですが、よい会社があったら情報提供はしてほしいと言われ、個人のメールアドレスを教えてもらうことに成功しました。Linkedinでも繋がり、初めて現地メディアとのコンタクトに成功した瞬間でした。

THE VERGE(VOX MEDIA社)

VOX MEDIA
入り口の看板

HP:http://www.theverge.com/
住所:231 Sansome Street, San Francisco, CA

THE VERGEは、テクノロジーや科学、カルチャー(ビジネス)などを取り上げる媒体です。先ほどのVentureBeat社から歩いて数分の所にあります。VOX MEDIAという会社が運営しており、この会社は複数の媒体を持っています。

実際にオフィスに言ってみると数人しかいませんでした。入り口付近の女性にTHE VERGEの人を紹介してくださいというと編集担当が今出払っているので誰もいないということで残念ながらお目にかかることはできませんでした。この媒体はアポがないと会えない可能性が高いです。

メディアキャラバンの結果

今回のメディアキャラバンでは、FoxやCNNなどのテレビ局やNew York Timesなどの大手の新聞社には訪問していないので詳細は分かりませんが、シリコンバレーでも泥臭いPR手法が少しだけ通用するということが分かりました。ここから記事にしてもらうためのリレーションをどのように築くのかなどは今後の課題としたいと思います。サンフランシスコ(アメリカ)では、短いスパンで転職されるため、媒体ではなく記者個人とのリレーションを深めていき記事化してもらうことが重要なのだということが分かりました。

日本のPRに関わる方とも連携してシリコンバレーに今後も挑戦していきたいと思います。

国内のメディアキャラバン同行やってます

広報PRにおいてパブリシティ獲得を実施する上で重要なメディアとの人脈構築を一緒に行うサービスです。メディアキャラバンとは、媒体社に出向き、記者と直接会ってPR内容を伝えるPR活動です。メディアとの人脈がある会社はもちろん、メディアとの人脈がない会社でも実施可能です。アポイントの取り方や実際に出向いた際の交渉テクニックなどを同行してアドバイスいたします。はじめてのメディアキャラバン同行の詳細はこちらをご覧ください。

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神村 優介
徳山工業高等専門学校卒業。在学中にNHK高専ロボコン出場経験を生かしたロボット教育ビジネス「MAKE21」を始める。2005年にこのビジネスで経済産業省後援のドリームゲートビジネスプランコンテストの中国地区大会で最優秀賞を取得。その後、株式会社セガトイズに入社し、玩具の企画開発マーケティングを担当。お風呂で使える家庭用プラネタリウム「ホームスターアクア」をプロデュースし、年間15万個出荷の大ヒットを記録。独立後、広報PRを中心にマーケティング企画支援を行うシェイプウィン株式会社を24歳で設立。これまでにChatWorkやスマレジ、TEMONAなどスタートアップの広報PRやマーケティングを支援。